正月に「もう使わないから欲しいならあげる」と妹からデスクトップパソコンをもらいました。OSのサポートが2020年1月14日に終了したので、そのままでは使えないパソコンだったのですが、私が今ブログ記事を書くのに使っているネットブックよりも高性能っぽいし、ただ捨ててしまうのはすごくもったいない気がする…。これはもしかして今まで金銭的にためらっていた無料OSを入れてみるとか試すチャンスなのでは?!
まず、掃除
「電源入らない」と言われていたので、ドキドキしながらスイッチオン…あ、付いた。大丈夫そう…というところから始めました。
パソコンをもらうときに「昔の写真データなどが入っているから、それだけは残しておきたい」とのことだったので、データのバックアップから考える必要がありました。電源入らなかったらとりあえずハードディスクが生きてるか確認するためにハードディスクを外して「ハードディスクケース」に入れて別のパソコンにつないでバックアップ…と考えていましたが、その必要はなさそうです。動くことはわかったのでひとまず安心です。
もらったのはパソコン本体、キーボード、マウスと付属CD(らしきもの)で、モニタはなくてモニタケーブルのみだったため、テレビにつないでパソコンの中身を確認です。時計狂ってるな、電池交換か…。
「うーむ、なんだこのデスクトップは…」が初めの印象でした。
当初の予定では、
・まとまった一つの写真フォルダに入っている全データをDVDにバックアップ
・パソコンの中のホコリ取り
・無料OSインストール
ハイ、できあがり!
と軽く考えていたので、しばらく思考停止した気がします。
デスクトップ上にいくつも写真フォルダを作ったり作らなかったりで写真データが散らばってるし、デスクトップ以外にも写真フォルダや写真データが散らばっていて、写真以外のデータも散見され「少なくとも私とは違うパソコンの使い方してるな!」という感じでした。データの名前もその場の気分やノリで決めているらしく規則性なし…丸ごとバックアップだからデータ名はいいとしても、せめてデータをフォルダで分けて集中管理して欲しかったぁ~。でも、妻(看護師)にこの惨状を話したら「病院のパソコンも同じ感じで使ってる」と言っていた(!)ので、デスクトップにアイコン並べまくってデータ管理するのって普通なんでしょうか?私はかたづけが趣味なので、データ保存方法はきっちり決めてからじゃないと落ち着かないです。パソコンの検索機能を使えばデータが散らばっていても探せることは探せますが…。これは面倒くさそうだなぁとボケーッと眺めつつ、でもユーザ用フォルダ(管理者)以外に個人データを保存するような使い方はしていないなと気づいたので、ユーザフォルダを丸ごとコピーしとけばいいかと思いました。ただ、データ量を確認すると写真だけでも100GBは超えていて、DVDにして渡すのはあきらかに現実的じゃない!妹からもバックアップ方法は絶対にDVD限定!とは言われていないというかあまり考えていないし、よくわからないからとりあえずおまかせ~状態だし、今後のデータ管理のしやすさも考えて「外付けのポータブルハードディスク」を家電量販店で調達してきました。
ポータブルハードディスクに個人データをバックアップ完了、即、妹にHDを渡しデータはこれでいいかと確認、どんなの入っていたか忘れてるしなくなったらなくなったで別に気にしないデータだしなどと言われ、若干力が抜けていくのを覚えつつもO.K.ようやく掃除開始です。
掃除の手順は
・パソコンのフタを開ける
・内部をパーツごとに分解
・ホコリを除去
・必要なら電池やグリスを交換
・ここでハードディスクも交換することは可能
組み立てなおしてできあがり、終始ぶつけたりして衝撃を与えたりバチッと静電気が発生しないように気を付けましょう!というところです。
とは言っても完全に分解するのは面倒だったので、外したのはCPUファンとハードディスクです。あとはパソコンを最初に試し起動してみたときに時計が狂っていたので、マザーボードに取り付けられていた「リチウムコイン電池」を交換したくらいですかね。羽ばたきとブロワー、それから掃除機を使って取れるだけの範囲でホコリを取り、CPUとファンの間の「グリス」を塗りなおして掃除終了です。増設ビデオカードなどは取り付けられていなくてシンプルな中身だったので、それほど大変ではありませんでした。ハードディスクの交換はOS入れ替えで動くか確認してからの、しかも完全に壊れてからでも遅くないか、高いし…と後回しにしました。ついでにデータ抹消も面倒だし余計な書き込みでハードディスク寿命を縮めることもないかと省きました。
無料OS探し
次に必要なのはOS、ということで無料で使えるOSをネットで探しました。
OSのサポートが切れたパソコンの場合、
・常時オフラインで使用
・有料でOSの更新
が考えられます。
常時オフライン使用とは、完全にネットから遮断して使うということです。ネットに接続せずとも使えるワープロや表計算用など用途を限定することでパソコン寿命を延ばす作戦です。ネットから遮断されているので、そもそも外部攻撃にさらされず安心ですが、USBメモリやCD、DVDなどからウィルスに感染する可能性はあります。OSのサポートが切れるとアプリケーションもOS対応を外してくるので、とにかくアップデートに苦労したり諦めることが多くなります。OSのサポートがあればネットに接続できるパソコンなのに接続しないで使うのはなんだかもったいないですね。さらに最近はアプリケーション認証手続きで毎回ネット接続を要求したり、作成書類テンプレートをダウンロードしたり、あるいは家庭内のデータもLAN経由で管理したりと、なんだかんだでネット依存度が高まっているので、ネットに接続できないのは超不便です。
有料でOSを更新するという方法は普通ですが、プリインストールされたOSのサポートが切れるほどに古いパソコンの場合、パソコン自体が、つまりパソコンスペックが新しいOSに対応しているかどうかが問題になります。新しいパソコンの機能に合わせて設計されたOSの部分に、古いパソコンは対応できないので不具合は起きやすくなります。かなり専門知識を持っていないと気付かないような細かい部分で対応していなくて不具合が起きる可能性はゼロではありません。
新しいOSをわざわざ買って入れたのに、ハードが対応していなくて使えなかった…とかなったら嫌だし、せっかくタダ同然で手に入れた壊れても構わない完全に遊び用のパソコン、特に使い続けなければいけないようなアプリケーションが入っていいるわけでもないから、やっぱり今まで試したくても怖くて試せなかった無料OSを試してみるべき!ですよね。
無料OSと言えばLinuxかな?というくらいの知識しかなかったので、とりあえず「無料OS」とか「Linux」などと検索していくうちにこれはどうかな?と思うOSが2つ見つかったので、手順をネットで探して見ながらインストールすることにしました。
無料OSインストール
OSをダウンロードして新規に入れるのは初めてだったので、ちょっと戸惑いました。
新規でLinuxOSをインストールするには、
信頼度の高そうなOSを公式サイトでダウンロード
ダウンロードしたISOイメージファイルをCD、DVD、USBメモリなどに書き込み、起動ディスクを作成
起動ディスクからパソコンを起動し、OSをインストール
という手順が必要なようです。
まず、ダウンロードしたOSのisoイメージをDVDに焼く、というところで何回か失敗しました。どうもDVDにデータをただコピーすればいいだけではなく、DVDライティングソフトを使ってisoイメージを作成するという段階をきちんと踏まないとダメみたいでした。
次にてこずったのが、パソコンをCDから起動することです。DVDに書き込んだLinuxOSをパソコンから起動してインストールするためには、BIOSと呼ばれるものを表示して、一番最初に読み込む先をHDからCDドライブに変更する必要があるのですが、BIOSを表示させるためにはパソコンを再起動した直後にF2キーやdeleteキーなどを押し続けなければいけません。ただ、どのキーを押してBIOS画面を表示させるのかはパソコンによって違うので、これでもないあれでもないと何回も再起動し試行錯誤するはめに陥りました。結局、もらったパソコンはdeleteキーで表示できたのですが、面倒くさいことこの上なかったです。BIOS画面になったら英語表記からBOOTメニューを探してキーボードで選択変更、英語は不得意な上にマウス操作に慣れ切った身にはキーボードのみの操作が辛いです。何となく「パソコンという機械」をいじっているぜ!という気分には浸れましたが…。
さらに困ったのが2つのOSを共存させる方法がよくわからなかったことです。ブートローダというもので起動画面からパーティションで分けたハードディスクにインストールされている複数のOSのうちの1つを選択し、起動させることができるらしいのですが、とにかくなんかよくわからん!状態で、いまだに選択して起動させることができていません。ネットで調べていくうちに、そもそももう少しLinuxの操作や基本を学ぶ必要があるんじゃないかと気づいたので、「Linuxに関する本」を購入しました。
使ってみた感
現在UbuntuとAndroid X86の2つをインストールして使ってみています。
とりあえずどちらも基本的には普通に動きました。
が、OSを選択して使い分けることができていないので、ほぼUbuntuしか使っていません。Android X86は多くのアプリがタップ操作前提で作られているためか、なんとなくデスクトップパソコンでは使い勝手がそれほどよくないかもと思いました。スマホやタブレットのアプリがパソコンで動くというのが面白いといえば面白いです。縦画面が基本のアプリはテレビ画面では見づらかったです。
理由は不明なのですが、我が家で使っている「定額動画サービス」が初期インストールされたブラウザでは視聴不可でした。同じウェブブラウザの英語版をインストールしたら観られるようになったのでどこかに問題があるのだろうとは思いますが、よくわかりません。動画共有サイトもブラウザ替えたら観られました。システム要件は満たしているはずなのに視聴不可になってしまうブラウザは設定をあれこれいじっても無理だったので、意味不明です。とりあえずよくわからないけれど使っている、という感じが何となくちょっと気持ち悪いですが、使えるからいいかと使っています。
そういえばプリンタは?と思ってつなげようとしてできなくてどうしようかなぁと考え中です。
一般家庭ではまだまだマイナーな存在なために使えるようにするまで「なぜ?」の繰り返しが多々発生するものの、文字打ちとかお絵描き、ゲームなどは無料で公開されているアプリがたくさんあるので、かなり使えて楽しめるのは間違いないです。開発者のみなさんに感謝。
あえて挑戦するほどでは…
いかがでしたか。
私は、たまたまタダ同然(パソコンをタダで貰う代わりにバックアップ用外付けポータブルHD代を私が負担することにした)でOSのサポートが切れたパソコンを貰ったので、無料OSを利用して復活させてみたのですが、使えるようにするまでに結構てこずりました。
中古パソコンの場合、
・そもそも動くのかどうか
・ハードディスクの寿命
・掃除および一部パーツメンテナンス
をまずは考慮する必要があります。リチウムコイン電池の交換やグリスについてサラッと流しましたが、私も初めはそんな存在自体知らなかったのでネットで調べまくった記憶があります。メインで使っているデスクトップパソコンの寿命を延ばして節約したい一心でパソコンメンテナンスを少しずつ覚えていき、まだ道半ばって感じが現状です。慣れればそんなもんかで終わりですが、余程の物好きでもない限り、たいていの場合「そんなものに慣れたくない」と考えるのが普通ではないでしょうか。まあ、面倒くさいの一言です。
OSのインストールもそれなりに面倒です。
・BIOSでBOOT先を変更
・場合によってはハードディスクのパーティション
・各種初期設定
・アプリケーションの動作確認
・周辺機器の動作確認
など、日常生活では出会わないこと満載なので、機械関係は全部人任せ~という人には完全に不向きです。
さらに、無料OSを使えば古いパソコンをよみがえらせられることはわかったものの、使用用途によっては使えないこともありますので、たまたま使えない用途に引っかかってしまった場合、他のことでは使えても「使えないパソコン」になってしまう可能性は高いです。有料OSで公開されているアプリケーションが同じように無料OSでも公開されているとは限らないですし。かといって有料OSで更新するのかと言うとハード要件を満たしているのか心配だったり、金額的にも日用品を買う金銭感覚では悩みどころで、難しい問題ですね。
例えば、ちょっと古いけどタダ同然でパソコンを譲ってもらったからとか、子どもの教育や遊びを兼ねて週末や長期休みを利用して中古パソコンや自作パソコンをいじってみるなど、趣味で楽しむくらいならおすすめできるのではないか?と思います。パソコン教育やプログラミング教育が学校で導入されてきているので、機械に触れるいい機会となるかもしれませんね。
家電量販店やパソコンショップなどで普通に販売されている新品パソコンとは違って、「もしかすると動かないかもしれない」リスクがあるので、よほど知識と経験が豊富でもない限りは、いきなりメインパソコンとして使う予定で本気買いして始めるようなことではない気がします。
私は、もう少しLinuxについて詳しく知りたいなと感じて、これから本を読み進めつついろいろ試してみるつもりですが、他にもしなければいけないことやらやりたいことがたくさんあるので、今後どうなるかわかりません…。
ということで、OSのサポートが切れた中古PCをまた使えるようにできるのか?あえて挑戦するほどではない気がするけれど、物好きな方は楽しんでみてはいかがでしょうか!