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自宅の本と紙を電子書籍化するのに必要な手順と道具のまとめ

「紙の内容をパソコンにスキャンして取り込み画像データ化する」「画像データをタブレットやスマホなどの電子端末で読める電子書籍にする」のに必要な手順と道具をまとめました。

手順…その前に

紙の内容と一口に言っても、紙がどのような状態であるかによってパソコンに取り込むまでの準備や取り込み方が若干違います。まずは紙の状態を見極めましょう。紙の状態は大きく分けて3つです。その3つとは…

  • コピー用紙のような一枚の紙
  • 本のように束ねられた状態の紙
  • スキャンに適さない状態の紙

です。

一枚の紙
本のように束になった紙
スキャンに適さない紙

スキャンに適さない状態の紙は、スキャナではなくカメラを使うことが多くなります。スキャンに適さない状態の紙であっても、工夫次第ではスキャナを使える場合があります。このような判断は取り込みたいものの状態や、求める仕上がり具合によって変わりますので臨機応変に対応することが必要になります。

カメラを使うならば、携帯電話やスマートフォンのカメラ機能が最も簡単です。この方法ならたとえスキャンに適さない状態の紙であっても、その場でパチリと撮影するだけで済みます。「影が映りこみやすい」「スキャンするほどの仕上がりは見込めない」「角度がついて画像がゆがむ」など欠点もありますが、どうしてもその方法しか取ることができなかったり、質を求めない場合は積極的に利用したいです。カメラでスキャナ並みの仕上がりを求める場合は「デジタル一眼レフカメラ」や「三脚」を使うなどの工夫が必要です。

長尺スキャンや分割スキャンが可能かもしれない

スキャナのスキャン可能領域に収まらない大きなサイズの紙は、スキャンに適さない状態の紙と言えますが、「長尺スキャンモード」や「分割スキャン」を使うとスキャンできる可能性もあります。これも紙の状態などによってスキャンできるかできないか、するかしないかはその時の対応次第ということになります。

手順

電子書籍化の手順です。

  1. 裁断
  2. スキャンまたは撮影
  3. PDF化
  4. 使用または閲覧

となります。裁断とPDF化については、行わない場合もあります。

用意するもの

  • 裁断道具
  • パソコン
  • スキャナ(スキャンの場合)
  • デジタルカメラ(撮影の場合)
  • 画像処理ソフト
  • PDF作成ソフト

裁断

本を画像データ化する前には、効率的な取り込みやスキャン後の仕上がりを考慮し、一枚一枚の紙に分解する裁断作業を行います。

本を裁断して一枚一枚の紙にする

「本のままで残しておきたい」「一ページだけ電子化できればよい」などのときには、カメラやフラットベッドスキャナを使って画像データ化することも可能なので、裁断作業が絶対に必要というわけではありませんが、ドキュメントスキャナを使って本をスキャンする場合には必要です。また、一枚のコピー用紙をそのままスキャンするだけならば裁断は必要ありません。

方法は手で破く、カッターナイフを使う、裁断機を使うなどが一般的です。

手で破く
こんな風に破いてはいけない

手で破くのが道具を使わないという点で一番手軽な方法です。ただし失敗することも多く、まっすぐに切ることはできません。裁断前、本をおおまかに分解するときに適しています。

カッターナイフ

カッターナイフ」はどの家庭にもある道具の一つでしょう。一枚一枚丁寧に切ることができる点で優れていますが、一冊の本を裁断するには根気が必要です。「定規」や「カッティングマット」をそろえるとより安全に作業することができますし、仕上がりもきれいになります。ハードカバーの表紙を取り外すときに重宝します。

裁断機
定規+カッターよりも手早く直角に合わせやすい

電子書籍化でもっとも一般的な裁断道具は「裁断機」です。数十枚の紙を一度に裁断することができます。紙を固定する台とカッティングマット、ロータリー式カッターナイフが一体化したものが安価で出回っており手軽で扱いやすいです。裁断刃を紙に押し付けて一度に数百枚を裁断できる本格的な裁断機もあります。ただしロータリー式よりも高価で、重たく収納場所も取りますので購入には注意が必要です。家の中の本を減らすための電子書籍化道具が本よりも場所を取ると、何のための電子書籍化なのかわからなくなってしまいます。ロータリー式の場合、カッティングマットとロータリー刃は消耗品ですので、切れ味が悪くなってきたら交換する必要があります。押し付けて切るタイプも消耗部品がありメンテナンスは必要なので、どちらを選ぶべきかは個人の判断によるでしょう。

注意点

「確実にスキャンできるようにすること」。裁断時に気を付けたい点はおそらくここにまとまります。

手軽さだけで作業すれば誤って紙を破いてしまうかもしれませんし、丁寧さだけに集中すると一冊にかかる時間が膨大になりすぎて作業が終わらなくなるかもしれません。裁断機は本格的なものになればなるほど速く正確に裁断することができるかもしれませんが、高価になっていきます。裁断機だけで本何冊分になるのか計算して、果たして自分にとってそれほどまでに効率的作業が重要なのか考えることも必要でしょう。裁断機に予算が取られ、裁断しスキャンするために肝心な本そのものが手に入らない事態だけは避けたいです。

本を裁断するとどうしても避けられないのは、「本の情報の一部が欠けてしまう」ことです。

背表紙が糊付けされている本がほとんどで、スキャンでは糊が大敵なために、確実に糊部分を裁断作業で取り除くことが重要です。しかし、見開きで構成されているページの場合は、糊付けされている部分にも印刷がされています。そのため裁断によって本の情報の一部までも切り取ってしまうことになります。

どの程度切り取るか…

裁断部分を多く取るほうが糊付け部分を確実に取ることができますが、情報欠如が多くなります。裁断部分を少なくすると情報欠如は少なくて済みますが、糊付け部分が残ってしまう可能性が高くなります。糊付け部分が残るとスキャンセンサー部を汚すことが多くなるので、頻繁に清掃作業をしなければならなくなり面倒です。面倒な気分が大きく心にのしかかるようになるとスキャン自体が嫌になり電子書籍化作業が長続きしない可能性も出てきてしまいます。

見開きページがない場合はほとんど気にすることはありませんが、例えば漫画のように見開きページが効果的に使われており、なおかつ情報欠如によって著しく見栄えの点で劣る可能性が高い本の場合は、どの程度裁断するべきかかなり悩むことが多くなるでしょう。「情報の欠如など絶対に許せない」と考えるのであれば、電子書籍化を諦める方が得策かもしれませんし、「本を見開きで読んでも糊付け部分の情報まではどうせ読んでいない」と切り捨てる方法もあります。個人の価値観によるところが大きいです。

製本されたままの本をスキャンすると、どうしても糊や針で止められた側ほど画像がゆがんでしまいます。実際の本を読んでいるときにはさほど気にならないゆがみも、画像としてみると気になることがあります。基本的には裁断することが望ましいと言えるでしょう。

裁断機を使って数十枚ごとにまとめて作業をしていると、ついうっかりページの並び順を間違えて重ねることがあります。スキャンの際にページ番号の並び間違いに気づけばやり直せますが、例えばコミックのようにページ番号が書かれていない本もあり、ページの並び順がばらばらになってしまうとわからなくなってしまう事態もあり得ます。このような失敗はいつでも起こり得るものなので、裁断する際は注意が必要です。ページの並び順を間違えないように作業できるよう環境を整えます。一定の流れで作業できるように裁断機や裁断前の本、裁断後の本を配置する工夫も大切です。

パソコン

パソコンはスキャナやアプリケーションが動けばなんでもかまいません。

ただし、スキャンや電子書籍化では一度に大量の画像データを扱うことが多いので、CPU処理速度が速く、「メモリ」を多く搭載したパソコンで作業するほうが快適です。より快適に作業したい場合には「グラフィックボード」を搭載したり、2台以上のモニタを使って「マルチディスプレイ」環境にするなどの方法が考えられますが、一般家庭での日常的なスキャン及び電子書籍化には必要ないでしょう。

目、肩、腰に!

見落としがちなところですが、本のスキャンは長時間作業になることが多いです。パソコンの設置場所によっては、かなり身体への負担が大きくなることが予想されます。より快適な作業場所を確保することが電子書籍化を継続させるのには大事です。比較的処理能力が高いのは「デスクトップパソコン」だと思われますが、身体への負担を考えるならば、持ち運びのしやすい「ノートブックパソコン」を選択するのも方法の一つでしょう。

電子書籍化に限りませんが、データは消失しやすいもののひとつです。電子書籍化後に原本を処分してしまうと再スキャンは不可能です。電子化後のデータ消失に備えて原本を保存するとなると、本来紙を減らす目的で行うはずの電子書籍化が無駄になってしまい本末転倒です。データ消失に備えてパソコン本体とは別の「ハードディスク」や「記録メディア」へ常にデータのバックアップを取るようにします。バックアップは違う方法で何重にも取るほうが、より消失リスクに強くなります。

スキャナ

スキャナ」にはいくつかの種類があります。

電子書籍化では「ドキュメントスキャナ」を使うことが多いです。10枚程度の複数の紙を一度にスキャナへ置くことができます。また、一回のスキャンで両面を読み取ってくれるので、紙を裏返してスキャンする手間が省けます。A4サイズまで対応する商品が一般的です。本のスキャンで大活躍します。

思い出の写真や、より高品質に残しておきたい絵画作品などでは「フラットベッドスキャナ」を使うことが多いです。ドキュメントスキャナでスキャンしにくいものにも使います。やはりA4サイズまで対応する商品が一般的です。年賀状印刷などでプリンタとフラットベッドスキャナが一体型になった複合機を使っている方も多いのではないでしょうか。

ドキュメントスキャナとフラットベッドスキャナでは若干構造が違います。ドキュメントスキャナでは固定されたスキャンセンサーへ用紙を送りながらスキャンするのに対し、一方のフラットベッドスキャナは、用紙を固定しスキャンセンサーを動かしてスキャンします。

用紙を送りながらスキャンするドキュメントスキャナでは、用紙を平らに読み取るための用紙押さえ役をスキャンセンサーが兼任しています。表裏両面から押さえながらスキャンする方がより平らにできますし、スキャンセンサーを表裏両面に設置できるので一石二鳥の構造と言えます。ただし、ピッタリと押さえつけてしまっては用紙を送ることができなくなってしまうので、ドキュメントスキャナほどの平らな仕上がりは求められません。紙を送りながらの作業になるのでスキャン時間は短縮できますがスキャナセンサーにゴミなどの汚れが付きやすいです。センサーにゴミが付くと、画像データ上ではくっきりと線状になった汚れとなって残ってしまうので常に注意が必要で、センサー部やその周辺の清掃メンテナンスがやや手間です。また用紙を送る速度は、機械側では一定でも紙質によっては一定にならないことがあります。ひっかかりやすい紙の場合、仕上がった画像が若干縦に間延びすることもありますので、ドキュメントスキャナほどの仕上がりは期待できません。構造上、紙詰まりが起きやすく、用紙を破損させてしまうことがあるので厚みのある紙をスキャンするのには向いていません。

フラットベッドスキャナは、紙を固定するために紙の片面をしっかりと押さえる必要があるので、スキャンセンサーは一つの場合がほとんどです。用紙を固定して完全に機械制御されたスキャンセンサーを動かす方がより正確なスキャンが期待できます。ただし、片面ずつしかスキャンできないために両面をスキャンするには紙を裏返す作業が必要になりますし、一枚一枚確実にスキャン台に乗せる作業も必要になりますので、一枚当たりのスキャン時間が長くなります。紙は固定しなくてもスキャン可能な構造なので、スキャン台の上に載せられるならば、厚みのある紙はもちろん、立体物でもスキャンすることができます。子どもの絵画で使われることの多いクレヨンなどドキュメントスキャナでスキャンすると汚れが付きやすい画材で描かれた作品のスキャンにも比較的使いやすいです。

まとめると

ドキュメントスキャナ → スキャンセンサー固定、用紙を送りながらスキャン
フラットベッドスキャナ → 用紙固定、スキャンセンサーを動かしながらスキャン

速度 ドキュメントスキャナ > フラットベッドスキャナ
品質 ドキュメントスキャナ < フラットベッドスキャナ

向いている素材は

ドキュメントスキャナ → 裁断済みで一般的な紙質の本、印刷されたコピー用紙

フラットベッドスキャナ → 裁断されていない本の部分ページ、厚みのある紙、絵画作品、紙焼き写真、立体物

となります。大量の一般的用紙ならドキュメントスキャナ、一点物ならフラットベッドスキャナが向いていると言えます。

清掃用具

スキャン作業においてホコリやゴミは大敵ですが、どうしても付きやすいため、意識して常にきれいな作業環境を作り保つことが必要です。

特にスキャンセンサー部分に付いたゴミは、そのままスキャンされて画像データ化されてしまいます。これを防ぐためにセンサー周辺をきれいに保つための清掃用具を揃えます。ホコリを払うための「はたき」、ホコリを吹き飛ばすための「エアダスター」や「カメラ用ブロアー」、ガラス面やローラー部などに付きやすい糊汚れやインク汚れを拭き取る「スキャナ用クリーナー」や「クリーニングクロス」などがあると便利です。画像処理ソフトによる修正である程度ゴミを取り除くことは可能ですが、全ページにわたって修正を施すのはあまり現実的とは言えませんし、修正によって元のゴミのない状態の紙を完璧に復元できるというわけではありません。そもそもゴミの侵入を防いだ方が後処理は楽になりますので清掃作業を行うための道具は必須だと言えるでしょう。

注意点

スキャンをする前に決めておきたいことがあります。

まず、どの程度の精度でスキャンをするのか、そして画像データの形式をどうするかの二つです。

スキャンする際には、あらかじめdpiという単位を使って読み取り解像度を決めてスキャンします。dpiの数値が高ければ高いほど読み取り精度が上がり、より細かくスキャンします。しかし、数値を高くすると読み取りにかかる時間が長くなりますし、データも大きくなります。また印刷物自体は300dpi程度なので、それ以上の解像度でスキャンするのは意味がないとも考えられます。本のデータを拡大して印刷するなどの用途で電子化するならば、より高精細にスキャンする必要がありますが、パソコンなどの画面に表示する目的ならば、高精細スキャンはデータ容量とスキャン時間を無駄にするだけになってしまいます。ただし、将来的なことまでを考えるとパソコン画面に表示させるだけで使うとは限りませんし、技術向上で現在よりもはるかに高精細な画像表示を可能にするディスプレイなどの表示機器が、かなり近い未来で一般的になっていないとは言い切れません。「今、こんな使い方しかしないから」とスキャンの速さだけを重視して低解像度でスキャンすると困ることになるかもしれません。

スキャンしたいものの種類にもよりますし、各個人のスキャンに対する重要度も違いますので絶対にこうするべきとは言えませんが、基本的には「できる限り必要十分に高精細で」スキャンしておくことをおすすめします。一般的には本のスキャンで300dpiに設定しておけば十分かと思われます。紙焼きスナップ写真も300dpiが一般的ですが、あくまでもインクジェットプリンターを使って100%の倍率設定で焼き増し印刷するときの目安です。余計な背景部分を切り取るトリミングを行い、L版スナップ写真よりも大きな紙に印刷する用途まで考えるならば300dpiでは不十分です。150dpiでは将来的な使用で不満の出る可能性が捨てきれません。印刷物に対して600dpiの設定は無駄になる可能性が高いですが、写真集や絵画集などコレクション性が高く、さらに拡大表示・使用するかもしれないことを考えると、無駄とは言い切れないかもしれません。データ容量については高容量化が進むハードディスクなどの記憶媒体でまかなうことができますが、スキャン時に切り捨ててしまったデータについては原本がない限り復元不可能ですし、たとえ原本を保存しておいたとしても劣化しやすい紙に印刷されたものが復元時にも紙焼けやインクの変色がないきれいな状態でスキャンし直せるかどうかは保証ができません。

データ形式は「画像データ」として保存するか「PDFデータ」として保存するかに大別できます。「どうせPDFデータで使うんだからPDF形式でよいのでは?」とも考えられますが、「画像データ形式」での保存をおすすめします。これはスキャン後のデータに対する扱いやすさによるものです。PDF形式は通常の画像処理ソフトでは開くことができませんので、修正が必要になった時には一度PDFからjpegなどの画像データへ専用のソフトウェアを使って変換しなければいけません。電子書籍化された本のPDFファイルを作って利用することが主目的だとしても、さまざまな使用用途を考えると、単なる画面表示用なのか印刷も視野に入れたものなのかによってPDFファイルを作り替えた方がよい場合が多々あります。初めからPDF形式で作成してしまうと作り直しが難しくなります。画像データで保存しておく方がいろいろな場面で取り回しが楽にできるでしょう。

スキャンした画像データを保存する時には「圧縮率」を設定します。基本的には「できるかぎり圧縮しない」設定にしておくことをおすすめします。たいていの場合、画像保存形式はjpegです。圧縮すると元のデータにはなかったノイズが出ます。さらに圧縮したデータから元のデータを復元することはできません。

様々な用途に合わせて各種読み込みデータ設定を作って対応することが望ましいですが、あまりにも細かい設定は日常のスキャン作業ではミスの原因になります。両面スキャンのつもりが前回たまたましていた片面スキャンの設定そのままで気づかずにスキャン終了し原本処分、PDF化し表示してみて気づくも後の祭りということが絶対にないとは言い切れません。あるいは高解像度カラーで読み込むはずが低解像度の白黒で読み込んでしまうなども起こり得るでしょう。もちろんそういったミスを防ぐためには毎回毎回設定を確認する必要があるのですが、ミスはしようと思ってするものではなく、誰にでも可能性があるものです。ミスをする可能性を減らすためにはそれ専用のベストな状態の解像度設定にするよりも、「ほぼ標準的でほぼ必要十分に高精細な」大まかな設定をいくつか作り、後処理で対応するような仕組みにした方がよいかもしれません。また、自己設定した読み込みデータはスキャナ用ソフトウェアのアップデートやパソコンの初期化などで失われてしまうこともかなりあり、その度に設定し直すのは時間の無駄にもなります。

デジタルカメラ

デジタルカメラを使うと電子書籍化の使用用途が広がります。

「絵の具が塗り重ねられた油絵」や「モールや綿、落ち葉なども自由に画材として使った子どもの絵」「A4サイズに収まらない巨大な紙」など、紙に描かれてはいるものの立体に近い作品やスキャナではスキャンできないような大きさの紙であっても、カメラで撮影し二次元の画像情報にしてしまえば、スキャンした画像と同じように扱うことができるからです。

子どもの写真アルバムを作る感覚で電子書籍を作る、と言えばわかりやすいのではないでしょうか。

カメラは

デジタル一眼レフカメラ
ミラーレスデジタル一眼レフカメラ
デジタルカメラ

などがあります。

携帯電話
スマートフォン
タブレット端末
パソコンのWEBカメラ

などのカメラ機能でも構いません。

基本的にはどれも同じカメラです。ただし、仕上がりの品質や使い勝手、操作性などは使うカメラによって違いますので、好みや必要度によって使い分けることが必要になるでしょう。

保存モード

デジタルカメラで撮影した画像は保存します。

せっかく高画質を求めて撮影した画像も、保存の形式が高圧縮モードになっていると、不要なデジタルノイズが記録された低画質画像になってしまいます。

保存方法は撮影前に決めておく必要のある項目ですので、必ず見直しておくようにしましょう。

撮影ワンポイントアドバイス

意図しない限り、「ゆがみを出さない」ように撮影します。

カメラで撮影すると、その構造上どうしても撮影した画像には「ゆがみ」が出てしまいます。このゆがみを日常生活の中で行う電子書籍化作業で完全に防ぐのはおそらく不可能です。しかし、できるだけゆがみを減らす工夫はできます。ゆがんでしまう原因は、被写体である紙、そしてカメラ、撮影する人の3つにあるので、それぞれにゆがみ対策を施します。

具体的には

  • 紙を固定する
  • カメラを固定する
  • 自動撮影にする

のが効果的です。

紙の固定

まずは「画像化したい紙を可能な限りきれいに撮影できる場所」を確保します。

できるだけ広くて、紙に余計な影が映りこまず、紙の白い色がそのまま白く撮影できるような場所を探しましょう。広さはカメラ撮影に影響します。影が映りこむと修正が難しいです。明るい場所が好ましいですが、明るさを確保しようとすると影が映りこんでしまうならば、窓をカーテンで覆いむしろ薄暗くして、紙に影を落とさない方がよいです。光や環境の状態によって、本来白い色が白く見えない場合があります。「ホワイトバランス」と呼ばれるものが崩れているためで、人の目で見たときには「白」と思っていたものが、撮影された画像では赤に見えたり緑に見えたりする現象が起きます。後でホワイトバランスを修正することで、本来白い色の部分を白くすることは可能ですが、より正確に修正するときには基準となる「白」を事前に撮影するか、撮影したい紙と一緒に撮影するなどの工夫が必要になります。とは言っても、夕焼け空の時間帯や白熱電球色のライト、あるいは大画面テレビの映像が映りこむ場所など、明らかに白い紙が白く見えない場所で撮影しない限りはデジタルカメラのホワイトバランス修正機能を「オート」に設定することでホワイトバランスを保つことができますので、それほど気にすることはないでしょう。

紙は壁に固定すると安定しやすいです。床と壁を基準にすれば垂直、平行が出しやすいです。ただし、紙そのものが画材などの影響で伸び縮みしゆがんでしまっている場合も多いので、神経質になりすぎないことが重要です。

裏面に「貼り直しができる両面テープ」を使って固定するときれいに撮影できますが、それほどこだわらないのであれば「プッシュピン」などで固定しても構いません。

光の当たり具合によって作品の表情が変わるような場合は、できるだけフラットなもののほかにも、あえて影を出すように光を当てて撮影するのもおすすめです。画像化によって立体情報は失われてしまうので、できる限り立体感を出して残すように撮影するとよいでしょう。

カメラの固定

カメラは基本的に手で持たないで撮影します。

手で持ったまま撮影すると、画像がゆがむのはもちろん、手の微妙な動きによって「手ブレ」が起きてしまいます。平らなテーブルやイス、「三脚」などを利用してカメラを固定して撮影することで、ゆがみとブレを防止することができます。

固定するときに気を付けるのは、被写体に対してまっすぐな状態にレンズを向けることです。撮影画面の補助線はもちろん、床の模様や三脚の水平基準器、壁から三脚のそれぞれの足の距離を測るなど考えられるすべての方法を使って、できる限りレンズをまっすぐに向ける工夫をします。

カメラレンズは望遠レンズを使います。ズームレンズの場合は望遠側(T)にします。デジタルズーム機能は画像が荒れてしまうので使わず、光学ズームで可能な限りのズームを使いましょう。広角レンズ(W)では画面の端に行くほど画面がゆがむので、ゆがみの少ない望遠を使うのです。望遠レンズは遠くのものを手前に引き寄せて見るためのものなので、被写体である紙の撮影に望遠レンズを使うにはカメラを遠くに設置する必要があります。撮影に広い場所を確保するのは望遠レンズを使うのが理由です。どうしても望遠では撮影できない距離しか確保できない場合は、レンズによるゆがみはあきらめて可能な限り望遠側で撮影するようにしましょう。

自動撮影

せっかくカメラを固定しても、撮影時に人が操作するとカメラがわずかにでも動いてしまう可能性があります。

できるだけ固定したカメラに触らないで撮影する工夫をします。そこで使うのがタイマー撮影機能です。タイマー撮影ならばシャッターボタンを押した動作によるブレが出ないです。ただしシャッターボタンを手で押すことによる微妙なカメラ位置や角度のずれが出ないとは限りません。これを防止するためには、「レリーズ」を使うかカメラをパソコンで自動制御してデジタルカメラのシャッターボタンを直接押さないで撮影する工夫をします。レリーズやパソコン制御機能はデジタル一眼レフカメラなどに限られることが多いかもしれません。

ゆがみ対策がまったくできない場合は、手持ちで何とかするしかありません。その場合は、できるだけゆがみやブレがでないようにカメラを体に固定したり、脇をしめて腕が動かないようにしたり、体を壁に固定して撮影するなど考えられる限りの工夫をしましょう。

長時間撮影

ゆがみが少なく、また仕上がりもきれいにしようと工夫を重ねていくと、撮影時間が長くなってしまいがちです。

ここでいう撮影時間の長さとは、シャッターボタンを押してカメラのシャッターが開き、またシャッターが閉じて撮影が終了するまでの時間の長さのことです。長時間露光という撮影手法です。

余計な影が出ないように部屋を薄暗くすると、仕上がり画像を必要な明るさにするためには撮影時間を長くして光を取り込む必要があります。望遠レンズでくっきりとした画像に仕上げるためには「絞り」と呼ばれる値を高く、つまりより絞り込むことになるのですが、絞りの値を高くすればするほどカメラが一度に取り込める光の量は減ってしまうので、やはり光を取り込むために撮影時間を長くする必要があります。撮影した画像にデジタル特有のノイズ成分をできるだけ出さないためには「ISO値」と呼ばれる光に対する感度を低く設定しますが、感度が低ければ低いほどやはり光を取り込むためには時間が必要になります。

モード撮影で言えば感度を低くして望遠ズームで「夜景モード」や「遠景モード」を使ったり、バルブモードを使うような方法になります。シャッターが開いて閉じるまでの時間が10秒以上になることが普通で、その間カメラも被写体も動かさない撮影手法を使います。当然のことながら手持ちでこれを実現させるのは不可能なので、三脚などでのカメラ固定は必須条件です。

ゆがみやブレ対策はかなり大変です。無理に工夫するよりも「明るい場所でさっさと撮影する」方がよほどきれいに撮影できることもありますので、もしも環境や機材を用意できないようであれば、あまりゆがみやブレについては気にしない方が得策かもしれません。

ソフトウェア

電子書籍化では一枚一枚の画像データを一つのPDF書類にまとめるのが一般的です。

そのため、画像データを編集するための画像処理ソフトやPDF書類にまとめるためのPDF作成ソフトが必要になると思われがちですが、電子化後の使用用途によっては必ずしも画像処理が必要ではなかったり、PDFとしてまとめるほどではないという場合もあります。使用用途ごとにソフトウェアを使い分けます。また、必要なソフトはパソコンに付属していたり、スキャナに付属していることも多く、追加購入するほどではないことも多いです。付属ソフトでは使いにくい、機能的に満足できないなどの場合に追加を考えても遅くはありません。無料で使えるソフトも多く出回っていますので購入前に調べてみましょう。

画像処理ソフト

画像処理ソフト」はスキャンした画像の加工を行うためのソフトです。スキャンした画像の管理もできることがあります。

「紙の色をもっと白くしたい」「白と黒をもっとはっきりとさせたい」「一枚だけスキャン中に付いてしまったゴミを取り除きたい」「ボールペンで書き込んだ文字を消したい」「分割スキャンした画像を一枚に戻したい」などスキャン時にできない作業をするのに使います。カメラで撮影した画像の傾きを修正したり、余白に映り込んだ背景を切り取るトリミング作業などにも使います。

飛び道具的な使い方よりも地味な作業が多いです。

ただ画像の加工は、そもそもスキャンの段階できれいにスキャンしていれば、あるいは撮影の段階できれいに撮影できていれば、あまり必要のない作業です。本のように数百ページに渡る画像一枚一枚へ手作業で加工を施すのは一般家庭ではあまり現実的とは言えません。「画像処理ソフトがとりあえず一本あれば何かと助かるかも」程度で用意するとよいでしょう。

PDF作成ソフト

PDF作成ソフト」は画像データをまとめてPDFと呼ばれる形式の電子書籍に変換するためのソフトです。スキャナに付属していることがあります。

複数の画像のデータファイルを一つのフォルダの中で管理するのと似ていますが、フォルダ管理の場合は「画像データは一つ一つ別のデータ」であり、PDFは「複数の画像データが入っている一つのデータファイル」であるところが違います。PDFファイルを見るためには閲覧ソフトが必要なので、画像データをフォルダ管理したほうが手間がかからないのでは?という疑問も生まれますが、「一つのデータとして扱える」ことが有利に働くことも多いので電子書籍では好まれています。

好まれる理由としては、PDFファイルの方が画像ファイルよりもより自然な感覚で電子書籍を読むことができることがあります。本の特徴として挙げられる「見開きページ」の閲覧には2ページ分を同時に表示する必要があります。多くの画像閲覧ソフトは1ページごとに表示することしかできませんが、PDF閲覧ソフトでは2ページを同時に表示して見開きページを実現することができます(ただし使用環境により見開きが使えないこともあります)。また、左から右へ読む本もあれば、右から左へ読む本もあります。PDF作成時に読む方向を指定することで、PDF閲覧ソフトで開いたときに正しい方向へページを進めることができる(これも使用する環境やソフトによります)ので、より自然な感覚で電子書籍を読むことができます。ワープロ文書で作成したデータと画像データなどを一つのPDFファイルに混在させられるため、ワープロならワープロソフトを画像なら画像ソフトをとソフトウェア間の行き来なしに閲覧できるのも利点です。こういったことを気にしないのであれば、PDF作成ソフトを使わずに画像ファイルをフォルダでまとめるだけでも構いません。

最適化

画像処理ソフトやPDF作成ソフトを使う主な目的は、使用用途ごとのデータ最適化です。

「紙をスキャン、画像データとして保存した段階のデータ」そのままの状態で日常的に使用することはほとんどありません。本をタブレットなどの端末で読むのに適した表示解像度やデータ容量にしたり、印刷画像を選ぶ前の小容量インデックス画像を作成するなど、使用する目的に合わせてデータを加工して使います。

パソコンの高速化とデータの大容量化が日々進んでいるために、大きな容量のデータをそのままの状態で使うことの抵抗感は薄れがちですが、小さいデータであればあるほど処理にかかる時間は短くて済むことに変わりはありません。加工したデータを保存するための容量やバックアップなどの管理する手間は増えますが、使用目的にデータを最適化させることでより快適な日常環境を作り出すことは、手間以上の結果が期待できます。また、いくらデータを小さくしても数が増えるとかなりのデータ容量になります。仮に一冊の電子書籍が10MBでも、百冊になれば1000MB(約1GB)、千冊では10GBです。もちろん一冊の電子書籍が必ず10MB以下で収まるとは限らず、ページ数や画質によってはそれ以上になるでしょう。大容量のハードディスクを備えたデスクトップパソコンならともかく、少ない保存領域のスマートフォンにマンガを入れておくなどでは、本体のデータ領域だけでは足りませんので外部メモリーカードに保存することになるでしょう。「メモリーカード」は差し替え可能ですが、読みたい本ごとにカードを差し替えなければいけないのはかなりのストレスになります。こういった事態を防ぐためにも使用用途ごとにデータを最適化させることが必要です。

閲覧

電子書籍化が完了したら、あとは見たり読んだりあるいは印刷して使うなど楽しむだけです!

閲覧ではパソコン画面の他にも、テレビ画面やタブレット端末やスマホの画面で見るなどさまざまです。スマホが爆発的に普及した現在では特にスマホに入れて持ち歩くことが多いでしょう。

スマホの場合、インストールしたアプリによって使い勝手が大きく変わる場合があります。電子書籍ファイルの閲覧においても使い勝手は重要で使用アプリによって全然使い勝手が違うことがあるので注意が必要です。もともとスマホに入っていた閲覧アプリでは電子書籍の使い勝手が悪いと感じた時には、別の閲覧アプリを探してみることをおすすめします。また、電子書籍は閲覧だけではなく、電子書籍ファイルの並び方や名前の表示の仕方など検索や管理も重要な要素になりますので、「本が探しにくい」と感じた時にはファイル管理アプリも入れ替えてみましょう。

また、家中の紙情報を電子化することで、単なる紙の本ではできない全く違う情報の使い方もできるようになります。

例えば「デジタルフォトフレーム」で紙焼き写真からデジタルカメラ写真まですべて表示、さらにお気に入りの漫画の表紙なども流れるようにするとか、スマホの待ち受け画面に使うのはいかがでしょうか。年齢を重ねるにつれて読みづらくなった小さな文字の本も、大画面テレビに映せば読みやすくなります。

電子化した本の文字部分はそのままでは画像データでしかありませんが、PDF作成ソフトなどに搭載されている「文字認識(OCR)」と呼ばれる機能を使い、文字部分を文字情報としてデータ化し、検索可能なPDFファイルにして必要な情報へすぐたどり着けるようにすることもできます。あるいは文字情報を合成音声読み上げアプリを使って読み上げさせれば「オーディオブック」を楽しむこともできます。

さあ、始めましょう!

いかがでしたか。

「紙の劣化から本に書かれた情報を守りたい」「とにかく本の置き場所がない、減らしたい」「家中すべての本や紙、書類をスマホに入れて持ち運んで、いつでもどこでも読みたい、使いたい」「写真も本も同じように管理したい」「防災対策として天井まで届く倒れそうな本棚をなくし、命に関わる恐れもある本の落下を何とか防ぎたい」などを叶えてくれる電子書籍化は、快適な生活をしたいと願う人にとってぜひ始めたいことの一つですね。

しかし、「パソコンを使うのは難しそう」「そもそも本を破いたり捨てることに抵抗を感じる」「電子書籍を買うことはあっても自分で作るのは敷居が高い」など、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

でも、大丈夫です!

ストレス解消で本をバラバラにしたら、あとはスキャナのボタンをポンっと押して読み取るだけの作業です。パソコンやスキャナ、ソフトウェアを初めて使うときには説明書を読まなければいけないなど、とまどうこともあるかもしれませんが、携帯電話やスマートフォンが使える方ならすぐに慣れてしまいます。本の電子化は、あくまでも個人での使用に限られるなど制限があり、その扱いには注意が必要ですが、それさえクリアしてしまえば今までは考えられなかったような本との付き合いができるようになります。

ぜひ、電子書籍化で楽しく快適な生活を手に入れましょう!

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モノ作りが好きな娘が編み物をやりたいと。でも左利きなんです…

うちの娘は絵や工作、手芸が大好きで、よく何かを作って遊んでいます。つい最近クラスで流行っているといって編み物をやりたいと言いはじめたので本を買ってのですが、右利き用ばかりでどのように教えればいいのか困っています。左利きの子に編み物を教える方法はありますか?

左利き用の編み物本無し!

確かに左利きの編み物は大変です。我が家にも左利きの娘がいて編み物で苦労しました。左利き用ハサミが入った裁縫セットは売っているのに、なぜ左利き用の編み物の本は売っていないんだろう?と、かなり疑問の残るところですが、無い物は文句を言ってもしょうがないです。たぶん商業的には需要が無いレベルなのでしょう。

最終的には自分で何とかするしかないだろうという結論に落ち着きました。で、自分でなんとかしましたよ。そもそも私は編み物ができないので、編み物の本を購入しました。話が前後してしまいますが、実は購入してから、「あれ、左利きはどうするんだ?」と気づいてしまったのですが、あとの祭りです…。

教科書for左利き

左利きの人が編み物をする場合は、右利き用で無理やり覚えるか、鏡に映る手を想像しながら左手に変換するかのどちらかです。しかしどちらも左利きの人にとっては不親切ですよね。娘にもわかりづらいので我が家では左利き用の教科書作りをすることにして、まずは本のスキャンから始めました。

というか、最近は買って一度読んだ本は片っ端からスキャンしてます。スキャン後はPDFファイルにしてタブレットPCやノートPCで見ており、その習慣がこんなところで役立ちました。

手順は

本を裁断する

スキャン

画像のみを左右反転

印刷

です。

本を裁断する

本を一枚一枚の紙に分解します。大量の紙をきれいに切るときには裁断機があると便利です。

スキャン

裁断し終わったページを一枚一枚パソコンに画像として取り込みます。本のスキャンには一度に両面のページが取り込めるドキュメントスキャナが便利です。

画像のみを左右反転

画像処理ソフトを使って、編み物をしている絵の部分を左右反転させます。ページをそのまま左右反転させると文字も左右反転されてしまうので、画像のみを選択して左右反転です。この作業が超面倒くさかったです。で、とりあえず、目を作るところと、これができればとりあえず編み物はできるだろうと思われる編み方のみをピックアップしました。

印刷

プリンターで印刷します。プリンターもすでに必需品ですね。

あとは覚えるのみ

はい、あとはもう、できないできない言う子どもと一緒にひーひー言いながら実際にやって覚えるのみでございます。どの編み方でも良いので、とにかく一つでも覚えてしまえば、慣れるらしく、子どもが頭の中で左右反転変換してくれるようになります。物づくりが好きな性格の子どもなら、編み物も楽しいようなので、教えたい方は挑戦してみてください。