マンガと違いペン入れしないアニメの動画。消しゴムがけできないのにどうやって下書きを清書するのか疑問に思っている人必見のアニメーター必需品の紹介です。
下書きの清書は鉛筆だから
絵は下書きのままでは雑ですね。
数本の線の中から「これ」という一本を選び出して、丁寧に書き直すのがアニメの清書です。アニメの清書はクリンナップと言い、鉛筆で行います。マンガのようにペン入れではないので、消しゴムで消すと清書の線まで消えてしまいます。そのためアニメ動画の清書は、下書きの紙の上に新しい動画用紙を重ねて書き写すのです。
下書きを清書したり、前の絵を重ねて透かしながら次の動きの絵を描く時に、ただ紙を重ねただけだと前の絵が見づらいですね。明るい窓に重ねた紙を貼り付けて見ると、後ろから光が当たっているので、絵がよく透けて見えます。でも、窓だと絵が描きにくいし、冬は結露、夜は真っ暗なのでいつでも使えるわけではありません。プロのアニメーターはスタジオで動画机というものを使っています。動画机にはガラスがはめ込まれていて、用紙の下からライトを当てて清書をしています。しかし、あまり一般的ではありませんね。
一般的な商品ではトレース台というものがあります。トレース台の中には蛍光灯や、今だとLEDランプが入っています。上部はアクリル板などの半透明になっています。トレース台の上に紙を乗せると明るい窓と同じ効果があるというとても便利な道具です。トレースボックスとかライトボックスなどの名前でも販売されています。
おすすめは大き目、薄くてLED
大きさなどで値段が違いますが、機能は下から光を当てることで変わりません。
小さい物の方が安価なのですが、あまりに小さいと使いにくいことこの上ありません。使う動画用紙よりも大きいものの方が使いやすいです。当然置く場所も必要になってきますが、たいていはテーブルや机に乗せて使うことになりますので、薄型の物の方が良いです。机の上にライトボックスを置くと、その分高さが増えます。机はその高さのままで使いやすい高さに設計されているので、高くなると、ひじの角度も変わってしまいますね。机の高さを変えられるとしても、こんどはイスと机の間が狭くなるので、座りづらくなります。イスの高さを変えれば良いだけの話にも見えますが、当然座りにくくなるので疲れやすくなりますね。
それから、下から光を当ててという状態の作業は、近くでテレビを観ているのと同じような物なので、結構疲れます。蛍光灯がチラチラとするような安価なものだと余計に疲れますし目が悪くなりますので、インバーター式などチラツキを極力抑えた物を選びましょう。今だと断然LEDタイプです。薄いし、ちらつきません。
それから選ぶ際に重要な点がもう一つ。手元でスイッチのオンオフができるタイプにしましょう。作画作業中はとにかくパチパチとつけたり消したりすることが多いのです。