メインで使っているパソコン以外で写真、音楽、本、プリントなどのデータを閲覧、使用するために、一つ一つの端末にデータコピーするのは面倒くさいです。という一文を読むだけで面倒くさいのが伝わるほどです。一台の端末にコピーする程度ならまだ気になりませんが、複数台になるとかなり時間を割かれてしまう上に、コピーのし忘れも起きます。また、端末に保存できるデータ量には限りがあるし、大容量外部保存メディアのコストも馬鹿になりません。ちょうどメインPCのデータ保管に使っている外付けハードディスクが寿命を迎えそうだったこともあって、これを機にNASと呼ばれるLANでつなぐハードディスクを導入してみることにしました。
NASにデータ保存するのはパソコンに保存するのと何が違う?
一番違うのは、メインデータの入っているパソコンの電源を入れなくてもデータを見たり、使ったりすることができることです。
あるパソコン「PC1」で作ったデータ「データA」を、別のパソコン「PC2」で見ようと思ったとします。すると「データA」を「PC2」にコピーするか移動させる必要が出てきます。「デジカメで撮った写真をデスクトップパソコン上へ保存した後に加工して、さらにそれをノートパソコンの壁紙に使う」とか、「パソコンで本の自炊をして、タブレットPCで閲覧する」ときなどですね。コピー作業をするためには「PC1」と「PC2」を有線か無線でつなぎます。
つなぐときには当然どちらも電源を入れて起動させる必要があります。
が!起動がいつもうまくいくとは限らないんですよね。「なんかよくわからないけど、調子悪い」とか「運悪くOSアップデートが始まった」など、思わぬ時間を取られることがそれなりにあります。さらにパソコン同士をつなぐときにも「なぜか認識しない」ことがあったりします。こっちの端末は無線LANでつなげても、あっちはUSBじゃないとうまく認識しないとか、ほんと腹立ちます。いつもストレスフリーでコピー作業が開始できるとは限らないところが嫌なところです。我が家ではメインでデータ作成に使っているデスクトップパソコンの電源を、使うとき以外は電気代節約のためにシャットダウンして、さらに根元のコンセントも電源タップで落としているので、電源入れるのが結構面倒くさいんです。それにちょっと寒い部屋にあるから冬はできるだけ長くパソコンの前にいたくないし…。
NASも電源を入れないと使えないのは同じですが、単にハードディスクの電源を入れるだけなので、パソコンほど起動に手間取りません。タイマー設定で細かく電源管理すれば、電気代も自動で必要最小限に抑えることができます。
家族間でのデータ共有が楽になった
自分のタブレット一台しかなかったときはそれほど苦痛でもなかったのですが、長女が中学生になってタブレットPCを使うようになると、それぞれのタブレットへのデータコピーが面倒になってきました。
自分だけの時はパソコンでデータを作成した後にすぐタブレットPCへデータコピーという流れ作業だけですが、長女のタブレットへのデータコピーは長女の都合を考えなければいけないので、一時的に移動のためのデータを作成して保管しておく必要が出てきてしまいました。しかも、長女の都合のよいときは、私にとっても都合のよいときとは限らないので、メインパソコンをデータ作成で使っているときに、長女のデータコピー作業のために中断しなければいけないこともあって、育児の隙間を利用してパソコンを使用している身としては、かなり時間の無駄です。
しかし、NASにメインデータや閲覧用データを移動させると、「データの作成場所」と「データの保存場所」を切り離せるので、データへのアクセスという作業のためだけにメインパソコンを占有されることがなくなりました。
NASを使う以前はコピー作業が面倒だったので、閲覧用データを見るか見ないかに関わらず端末上の外部SDカードへ保存していました。が、NASにすると、必要な時にだけNASからデータをコピーすればよくなりました。かなりの数のデータを入れておくために大容量のSDカードをタブレットへ入れておく必要がなくなるし、タブレットのデータをNASに保存できるように設定しておけばSDカード内のデータが突然消えてしまうトラブルにも対処できます。データ共有はパソコンでも可能ですが、データ共有を前提として設計されているNASの方が設定や運用面で楽だと感じました。
WEB上からもデータ参照できる
NASはLANでつなぐハードディスクなので、LANでつながっていない状態ではデータを参照することができません。例えば無線LANの電波が届かない屋外でタブレットPCからNASのデータへアクセスすることは不可能です。しかし、設定によってはインターネット上からNASのデータへアクセスすることができるようになります。ただ、WEBからアクセスして使える機能は、間違った設定によって意図しないデータ流出が起こったり、著作権などの法律問題も考える必要もあるので、使用には細心の注意が必要ですし、ウェブ上で扱えるようなデータが我が家にはなく、使用目的が特に思いつかなかったので私はこの機能を使っていません。が、フリーWi-Fiを使うことができる環境や、スマホのようにネット接続できる端末で、外から家のNASのデータにアクセスしたいという場合にはかなり便利な機能だと思います。
ということで、面倒なデータ管理を楽にするには、LANでつなぐハードディスク、NASがおすすめです。