こんにちは、koyukaisa.workの真田夕起です!
初めて訪問してくださった方も、いつも読んでくださっている方も、ありがとうございます。本日も楽しんでいただける記事をお届けしますので、どうぞリラックスしてお読みください。
「だーっ!もうだめだー、やってらんねぇっ」
と欲山業太は、妹から無理やり奪ってきたノートパソコンのキーボードに頭を何度も打ち付けた。
業太はまさに典型的ダメ男だ。やる気に火が付いたときには猛烈な勢いで燃え上がる。やってやると叫び、俺ならできる、今までのは様子見、まだ本気を出していなかっただけ、今度は確実、絶対うまくいくと言ってやり始める。だが、もともと飽きっぽい性格で大抵2日と持たずに投げ出す。辛いと思った瞬間にやめる。決して逃げではない、これは新しいことにチャレンジするチャンスをつかんだんだ…よく言えばポジティブ思考である。そうやって今まで何に対しても途中で投げ出してきて、気付けば35歳だ。勉強はできず大学には入学できなかった。夢追い系フリーターを気取って知識もスキルも何もなかったが、異常に高いプライドだけはあった。小学3年生までの業太は勉強もスポーツも得意だったのだ、小学3年生までは。
今回は作家になろうと思いついたのだ。
「小説でも書く。とりあえずネット小説あたり?で、俺ってやっぱすげぇからいいねの嵐っしょ。出版社から声がかかる、そして爆売れ伝説へ…。ここからは書けば書くほど売れるしかないっしょ。まず間違いなっしー、いやもうやばいわ、欲山業太さん。彼、すでに儲けまくりじゃね?」
ところが書けない。1文どころか1文字すら思い浮かばなかった。業太にとってはビッグになることだけが人生の目的であり、そもそも書きたいことがあるわけではない。内からあふれ出るのは表現欲求ではなく、ただ「ビッグになる」という言葉だけであるのだから、当然と言えば当然である。
「燃え尽きた…」
ひとしきりバタバタと泣いて暴れて疲れた業太は、床の上にグタッと大の字になった。
床を見渡せば運気上昇アイテムの数々が散らばっている。神社のお守りに始まり、招き猫、ミサンガ、パワーストーン、金運上昇財布、パワースポットから通販でお取り寄せした水、古本屋で買った太本教子の占星術本などだ。
「ッチ!どれもこれも全然役に立たねーじゃねーか!」
と、最も手近にあった胸の十字架ネックレスをむしって壁に投げつけ、泣き出した。
「くそっ!なぜだ、どうしてうまくいかないんだっ。俺には才能がある、未来がある。まだ本気すら見せてねぇ。絶対うまくいくはずなのにおかしいじゃねぇか。」
この世には神も仏もいないのか、とのたうち回り始めた。
「おい神様よぉ、いるんだろ?俺がこんなにも貢いでやってんだ。少しは願いを聞けよっ!」
ぐぁっと両手を広げて突き上げて叫んだ。
もともと汚い上にまき散らされた物だらけの狭い部屋だ。業太の声はこだますることもなく、あたりは静寂に包まれた…。
「ふっ、俺もとうとういかれっちまったかな、神様なんているわけが…うええぇっ!」
虚しさや恥ずかしさを感じる隙など与えてはいけないとでも考えているのか、わざとらしく人差し指をおでこに付けながら起き上がろうとするも腹筋が弱いがために、よっこらしょ、とかなり苦戦しつつ、のろのろと起き上がった業太の目の前が、突然輝き出した。あまりのまぶしさに目を開けていられない。
「うわぁっ、何だよこれ、ありえねー!」
徐々に光が弱まる。ようやく目を開けられるようになった業太の前には10歳前後の女の子が立っていた。
「こ、こんにちは」
と、女の子は言った。美少女だ。妹との仲は悪いくせに妹キャラには幻想を抱く欲山業太には、ど真ん中に超特急である。しかも水着姿だ。頬を染め、もじもじしながら潤む目で業太を見つめている。
「何?、一体何が起きてんの?」
と言ったが、待てよ?と業太は振り返って考えた。さっき自分は神に祈ったことを思い出し、この女の子は神かもしれないと考えた業太は
「えーっと、どういう要件ですかな?」
と、女の子に尋ねた。
「あ、あの~神です。呼びましたよね?」
真っ赤な顔をして女の子は答えた。
業太は確信した。…これは間違いない、神が降臨したもうた、とうとう俺の時代がやってきたに違いなし。しかし、この子が神?神とは言ってるけど天使か何かか?いずれにしても俺に呼ばれたから来た、みたいな雰囲気。で、この姿…ということはこれは肉体的に誘っているんだろうな、俺、欲山業太を。彼ってやっぱ半端ねぇから。何のゲームが開始しちゃったのかはおいおいわかってくって展開なのかどうかはわからんが、とりあえず、現実じゃないわ、これ。あり得ないっしょ。まあ、かなりリアルっていうかリアルにしか思えないけど夢だろうな。で、とにかくこの子はきっと俺の体が目的の良さげな神だな。まぁこんな機会は二度となさそうだし、頂けるものは頂けるうちに頂けるところからズッポシ頂こう…と考えた業太はじりじりと女の子に近づいていった。
「え、あ、ちょ、ちょっと待ってください!違いますよ?」
よだれを垂らしながら、シャツを脱ぎ、ズボンを下ろし近づいてくるニヤけ顔の業太の意図に気付いたのか女の子は後ろに下がった。しかし女の子の様子を見た業太は、控えめに見せかけた誘いに違いない、と考えた。
「いただきます」
と、さもそれが当たり前の行為であるかのように歩み寄り、業太は女の子に襲いかかった。
「きゃー、やめてください、殺しちゃいますよ!」
女の子は叫び、業太の胸にズボッと手を突っ込んだ。
「うがぁっ!」
業太は血を吐いて死んだ。
「あ、あれ?俺って今死ななかった?」
死んだはずだと思ったが生きているようなので、業太は驚いた。
「思わず殺しちゃいましたけど大丈夫ですか?」
「え、俺やっぱ死んだの?でも生きてるけど…?」
「生き返らせたんです。」
「そうなの?」
確かに痛かったし死んだ気はするが、業太は信じられなかった。嘘だろ?これは現実じゃないな、夢、夢。いきなりこんなかわいい少女に殺されるとかマジあり得ないし。試しにもう一度、と襲う構えを見せた途端に業太は腕を引きちぎられた。
「…っ!!!」
あまりの痛さに声が出ない。
「あの、嘘じゃないですし、現実ですよ?私はあなたに呼ばれた神です。」
業太の腕は戻っており、痛みは消えていた。どうやら、本当に夢ではなく現実であるらしい。でもあり得ないから疑わしい。限りなくうさんくさいが夢ではなく、さらには夢の中で思い通りに振る舞おうとしてもうまくいかないような状況以上にまずい現実のようだ。こちらから何も行動を起こさない方がいいのか?それとも何かした方がいいのか?と業太は混乱した。
「落ち着きましたか?」
業太は、いや全然落ち着いてないし混乱して何も言えなかっただけなんだけど、とりあえず黙っていた方がよさそうだ、と無言でコクコクうなずいた。その様子を見た自称神と名乗る女の子はよろしいです、と話を続けた。
「先ほども言いましたが、私は神です。あなたに呼ばれて来ました。どうやら悩んでいる様子ですね、話を聞きましょう。さあ、話しなさい。」
「あ、えーと…、とりあえず何で水着なんすか?」
「はぁっ?!あ、これはですね、今日はたまたまスイミングスクールがありまして、その帰りだったんです…って何の話ですか!」
神はぬれた水着をまじまじと見る業太の足の爪をはがし、また戻した。
「うぎゃーっ!痛いからやめてください!」
「あなたの行いの結果です。」
「わ、わかりました、すんません…。」
業太は、素直に答えたのは神様あんただろ、と思った。
「でも、それなら何で、出てきたときにはもじもじしたり、顔を赤くしてたりしていたわけ…あ~、していたのですか?」
「そ、それは、こんな不本意な姿で出てこなくてはいけなかったからですっ!恥ずかしいし泣きたくもなりますよ。しかもあなた、バカっぽいし、イラっとしちゃうじゃないですか。」
「なっ!」
業太は確かにバカっぽい質問をしたかもしれない、と思い出し、とにかく神は俺のことを誘っていたわけではなかったんだな、ということは理解した。あと、痛い目にあうのはもうごめんだ、とも思った。都合よく目の前に神が現れた理由は、この際どうでもよかった。
業太は今までのことを神に話した。大人気で超有名作家になろうと考えたが、書けなかったことを。
「そういうわけでしてぇ、もし助けてくれるん…あ、いや、くださるんでしたら助けてもらえないかと。神様、俺に物語る力を与えてください!」
業太の話を聞いた神はうなずいた。
「わかりました、これでも私はあなたに呼ばれて出てきた神です。助けましょう。」
「え、本当ですか?」
本当に助けてもらえるとは全く考えていなかったので、業太は喜んだ。
「ただし。」
と、神は念を押す。
「これはあなたが解決しなければいけない問題ですので、私はあなたが最初の一歩を踏み出せるように、ほんのちょっと手助けするだけですよ?」
「へ、そうなの?…じゃねぇや、いやそれだけでもありがたいこってす!」
業太は、ちょっとの手助けだけ、と聞いてがっかり拍子抜けしたが、神からとてつもない殺気を感じ、あわてて喜びを取り繕った。
「まずあなたはこの部屋を出なさい。出たとたんにあなたは転んでしまいますが、それでよいのです。一番最初に目にしたものがあなたを助けてくれます。目にしたものを手に取りなさい。以上、ではさようなら、せいぜい頑張って。」
「え?あの…、ちょ、ちょっと~!」
神はさっさと消えてしまった。
「言うだけ言って消えるとか~。全くわけわかんねぇし~。」
業太はどこぞの昔話かっ!と文句を言ってみたが、10分、20分、1時間と待っても、神が出てくることはもうなかった。
「まあ、こうやってただ突っ立っててもしょうがないか。」
と、業太は言った。どうせこのままじゃどうにもならないし、自分だけでは無理なことは分かりきっている。
「せっかく出てきてくれたんだし、ダメもとで神のおつげに従ってみても罰は当たるまいて、おーし、いっちょやってみっか!」
業太はドアを勢いよく開け放ち部屋を出た。
→そして業太が目にしたものとは?それは彼の未来を大きく変える商品だった。(詳細はこちらをクリック)
おとこわり
これは小説を模したアフィリエイト目的の記事です。なお、この話はフィクションであり実在の人物・団体などとは全く関係がありません。
ということで、今回の記事はここまでです。最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
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