3DCGアプリを使ったオリジナルぬいぐるみの作り方があります。が!3DCGソフトの使い方は調べればなんとかなるけど、そもそもモデリングに必要な「下絵」が描けないんです!どうすりゃいいんですか?
とにかくぬいぐるみを完成させたい!!
利用できるものはとことん利用する!
「そもそも絵が描けるなら苦労しねーよ」という悩みは多いですよね、実際私もその一人です。
今じゃ「私は絵が描けない、でも別にいいや」というあきらめがついていますが、だからといって描かないわけではなく、絵が必要ならば描かなきゃならんよキミ、ということで仕方なく描いてます。私は絵を描くのがそんなに好きじゃないみたいです。だから描くことで食っていこうとかはもう考えてません。
で、絵が必要な時、今は「ぬいぐるみを作るために使う3Dアプリに必要な下絵」ですね。私はどうするのかと言うと、「とにかく必要とされる絵を用意するために今、利用できるものは可能な限りとことん利用する」という方法を取っています。プロではないので自分にとって必要な絵を用意できれば問題ないわけで、結果にもそれほど深刻に悩む必要もない、、、極端な話ですが必要な「絵」が「写真」でも代用可能なら、写真でオーケー。
ということで、「絵」そのものが大事なんじゃなくて、絵はぬいぐるみを作るために必要な手段の一つでしかないので、どんな形でもいいから絵(というよりは画像ですね)を用意します。
どんな絵が必要か?
オリジナルぬいぐるみが作りたい
↓
ぬいぐるみ設計に3DCGソフトを使う
↓
3Dソフトではモデリングという作業がある
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モデリングのためには下絵が欲しい
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どんな下絵が欲しいのか?それはどういう方法で得るのか?
というところでつまづいてしまっているところまで整理してみると、「なんかプロとか絵の上手い人が描いたっぽいすごく上手い絵」が必要なわけではない、と気づきます。3DCGの参考書籍を見ると、なんか超ウマい美麗絵が下絵として使われてたりして、「こんだけ描けるなら別に絵をやればいいじゃん」とため息が出てしまいますけど、実際はそんなきれいな絵がなくってもモデリングはできますよね。
で、必要なのはどんな下絵なのかというと、
前から見た図
と
横から見た図
の2枚です。さらに詳しく言うと、その図は
パースの付いてない絵、つまり遠近法を使わない絵
である、ということです。思いっきり技術の時間に習った設計図ですね。
ポーズは3DCGアプリ上で付ける方が簡単なので、設計図の段階では棒立ち状態が望ましいですが、ぬいぐるみによっては設計図段階でポーズ付きの方がやりやすい場合もあるかもしれないので、ここは試行錯誤や自分なりの好みのやり方を見つけることが必要ではないかと思います。
正面図くらいなら何とかなるかも
なんとなくでも作りたいぬいぐるみのイメージがあるなら、たぶん前か横の絵のどちらか1枚くらいは何とかなりそうと思うのではないでしょうか。
例えば人なら前から見たところとか、魚なら横から見たところなどと違いはあるかもしれませんが、両方いきなりは無理でもどっちかだけなら何とかなりそうな気がします。
現実にあるものをできるだけ忠実にぬいぐるみ化したいのなら、1枚写真を撮って、輪郭をなぞればできあがりです。イラスト集などから流用しちゃうのも手です。オリジナルぬいぐるみを販売する目的なら著作権関係も気を付ける必要がありますが、趣味の範囲でぬいぐるみが外に出ない限りならまったく問題なしです。もちろん一から自分で描くのが一番ですけどなかなか難しいですよね。
とにかく「下絵のための下絵」があっても何ら問題はありません。
私はとりあえず資料になりそうなものはないかなと探します。ネットで探すと時間が無駄になることが結構あるので、辞書とか本を探すことの方が多いです。
2枚目が難しい
前か横どっちかは用意できそうだ、でも次が問題。
人物の正面写真は多いけど、完全に横向きの写真「も」探すのは難しいです。2枚目が難しいんですよね。横から見た魚の写真はあっても、前から見た魚?あまり見かけません。実際に魚を飼っているとか、魚売り場で観察するとかすれば前から見た魚もわかりますが、案外まじまじと見たことってないです。斜めから見た絵は特徴と立体感が同時にわかるのでよく見かけますが、じゃあそこから真正面と真横から見た図を作れるかっていうとちょっと難しいです。
「なんとなく横からだとこんな感じ?」レベルの絵なら何とかなりそう、、、でも、必要なのは前から見た絵で見えるパーツが横位置からも同じ位置に描いてある図です。目の高さが前から見た時と横から見た時で違う…とかなっちゃうと困ります。
資料で見つかるならそれでよし、ですが見つからない場合は絵画技法書系や図鑑に資料がないかなと探すことが多いです。
パーツ位置をずらさないようにする
前、あるいは横のどちらかが描けた、さらにもう1枚目はパーツの位置さえなんとかなれば描けそうという場合があります。
こんな時に便利なのは「方眼用紙」です。算数のグラフの授業で使いましたね。縦Y軸と横X軸を取ってグラフを書くなんてもう二度とやることはないだろうとか思いましたけど、なんとこんなところで役立つときが来ちゃいました。
正面図なら縦Y軸と横X軸ですが、側面図なら縦Y軸で横は奥行きを表すZ軸となります。つまり、縦Y軸が共通なのでぬいぐるみパーツの高さを正確に表すことができます。高さだけは目盛りで機械任せ作業ができるのであとは奥行きに集中して、「横から見るとこんな感じな絵」を描けばいいですね。
ただし注意しなければいけないこともあります。
絵は平面なので、割と嘘が平気で描けちゃうんですよね。前からだとこんな感じで、横からだとこんな感じだとカワイイなんて描き方をすると、じゃあ実際にそれを立体にすると「あれ?」みたいなことが起こっちゃうことも結構あります。
例えば世界的に有名なネズミのキャラクターの耳ってどこから見てもいい感じなんですけど、それじゃあ立体的にはおかしいだろっ!となっちゃいます。ぬいぐるみなんで、絵的なごまかしは禁物です。あと、設計図なんで遠近法使った立体感はいらないんだけど、立体になったときに破綻しちゃうと困るので、ぬいぐるみパーツそれぞれの厚みや角度は正確に書き写す必要があります。
でも、正面から見たぬいぐるみはかわいいけど、横はダサいよね…なんて嫌だし、やはりどこから見てもいい感じは目指したいところです。となると、両方の絵の妥協点的なものを探りつつ、最初に作った絵も変更しつつ両方の絵を仕上げるということもあり得ます。オリジナルぬいぐるみなので、試行錯誤は絶対だとは言え、面倒くさいですね。
ということで、2枚目まで描ききるには本当は1枚目を描く段階で立体として意識していた方がいいと判明したり、まだ存在しない立体の完成映像を意識ためには何が必要か?というと、立体を立体として把握するための「資料」が必要だと気付いたりします。
下絵の下絵に立体を利用!
絵を描くのってめんどくさいです。
なんかそもそも平面で立体を描こうとすること自体無理系な気がするし、立体であるぬいぐるみを作ろうとしているんだから、最初から立体で模型でも作っちゃえば楽なんじゃね?と思いました。
模型、よさそうじゃないですか?
模型なら最初から立体なので、前から見たときと横から見た時でパーツの位置が違う!なんて悩みがあるわけがないです。で、何で模型を作ろうか?と考えてパッと思い浮かんだのが、「粘土」です。粘土ならこねくり回して自由自在に形を作れます。ただし、細かい部分まで作り込もうとか考えると難しくなっちゃうので、あくまでも下絵のための土台としての利用に留めるんです。
耳の角度などは真正面から見ても真横から見てもいい感じで調節したいので、自由に変形できる粘土は都合がいいですよ。
順番をまとめると?
こんな感じの作りたいというぼわーっとしたイメージをメモ
必要そうな資料を集める
集めた資料を見ながらイメージを広げ、だいたいのイメージ図を描く
イメージ画をもとに粘土細工
できあがった粘土の真正面と真横の写真を撮る
写真を直接下絵にするか見ながら、方眼用紙に正面図と側面図を描く
必要ならイメージ図、粘土、方眼用紙を繰り返して徐々に下絵を完成させる
とこんな感じで進めると、行ったり来たりで時間はかかりますが、ほぼ確実に自分の作りたいぬいぐるみを作るために必要な下絵を完成させることができると思います。まあ、やっぱり面倒くさいのはどうしようもできそうもないのが悲しいところですけど、「作りたいのに下絵が描けなくて挫折!」となるよりはいいのかなぁと思います。
作っている途中で思いついたけれど絵にするのは難しいというようなアイディアは、とりあえず簡単な文章で書きつけておくと後で思い出せるし取捨選択ができて便利です。私はよく下らない話の断片を妄想しては、ついでに書いておいてます、絶対に使えないけど。
妥協も大事かも
「こんなぬいぐるみを作りたいなぁ」と思ったときにふと立ち止まって考えたのが「そういえばぬいぐるみに求められることって何だろう?」ということなんです。
最初は、「なんかすごいリアルなやつ」とかって考えていたんですけど、そもそもぬいぐるみにリアルを求めて何になるんだろう?って疑問がわきました。なぜリアルなやつなのかというと、単にお店にはリアルなぬいぐるみって置いてないなと思ったからなんですけど、それはなぜなんだろう…、あ、需要がないからだって思いました。どちらかっていうとぬいぐるみに求められることって「癒し」じゃないかと。どんな癒しでもいいんだけど、その癒しに必要なのはリアルであること?ではないよなと思い至りました。
で、リアルじゃないぬいぐるみを作るとなると、必然としてぬいぐるみの単純化とかデフォルメとかしないとダメですよね。デフォルメはどの程度?と思って身の回りにあったぬいぐるみを改めて見直してみたんですけど、かなり単純な形を組み合わせて作っているんだなぁっていうのが多いんです。けど、かわいいし癒される。あ、こんなんでいいのかって気づきました。しかし、私は今まで身の回りのぬいぐるみを見てる気がしてただけで案外詳しく見てはいなかったんだなぁと思いました。なんだろ、引き出しの少なさってやつですかね?
結局最初にできあがったぬいぐるみは、どんどん妥協して、めちゃくちゃ単純化デフォルメしたぬいぐるみだったんですけど、これはこれでなかなかよかったです。
私、今無駄に語っちゃってる気もするんですけど、「下絵が描けない!」っていう悩みは、こだわりすぎていて、「こんなんでも十分ぬいぐるみになるし、それでいい」っていう部分が見えなくなっていたり、もともとぬいぐるみについてそれほど知識があるわけでもないわりにオリジナル!とか言っちゃって、何かもうすごいものを作らなくちゃと固まっているところから出てくるのではないかとも思うのです。だから「もう少し楽な感じで、適当に作っちゃってもいいか」という妥協も大事なのではないか、下絵だって適当なやり方でもなんとかなるっしょ!と言いたいので、長々と書きました。無駄なこだわりを持っていたのは過去の私のことなんですけどね、あ今でもか。
ということで、オリジナルぬいぐるみ。まずは超簡単な適当な感じのぬいぐるみを考えて、下絵も簡単に済ませられるようにすることも考えながら作ってみるのもおすすめです。作りながら徐々に難易度を上げたデザインにしていくことで、自然と下絵を描く技術も上がっていくはずなので、楽しんで作っていきませんか。