雨が上がって、ようやく晴れが増えてきて気になって来たのが、掃除だった。
毎日床の掃き掃除と、ときどきの拭き掃除、それから毛ばたきでホコリを払うだけでは、絶対に届いていない場所、たとえば台所の扉とかコンロの下、扉の中、あるいは洗面台の中とか棚に置いている入れ物などは、おそらくかなり汚れているだろうなと気になっていた。
気にはなっていたのだが、そもそも見えづらい場所だったり、手が届きにくい場所だったり、物を置いているから掃除しにくい場所なので、汚れているかわからないし、普段は手早く掃除を終わらせたいから面倒くさいし、とにかく考えただけで面倒くさい場所なので放置してしまっていた。
さらにやる気が起きない理由としては、見えない場所をいくら掃除してきれいにしたところで、やはり見えないので成果がわかりにくいため、自他共に評価へとつながりにくいことが挙げられる。どうせこんなところ掃除したところで誰にもわかってもらえないし、きれいになったことが自分でもわからないから達成感も少ない、だからやりたくない、と思ってしまう。
しかし、何かをする際に、必ず汚れを目にするときがあり、目に付いたからこそ、掃除しなければいけないなぁ、と思ったことも事実だったりする。料理をしようと包丁を取り出したときに棚の中にうっすらとホコリがたまっているところを発見したり、扉へ手を伸ばしたとき扉に油はね汚れがあることに気づいてしまったり、洗濯機の内ぶたを掃除しているときに、洗濯機の下にはホコリがたまっているんじゃないかと気になったり、そんな感じで色々と気になる場所が蓄積されていく。
とにかくこれはもうそろそろ掃除しないと自分が許せなくなるな、という水準に達してしまいそうだったので、しかたなく掃除することにした。全部は無理でも気になっていたところが少しでも減れば、気も収まるだろう。ということで、掃除しているのだが、やはり成果が少ない。しょっちゅうするようなもんじゃないな、という気分だけがむなしく残った。