長女が高校を無事に卒業しました。制服がなくなるので、冠婚葬祭用のスーツを買いに行ったのですが、スーツに合うフォーマルな靴も揃えようとしたときにとまどいました。
ローファー?パンプスって何?
私が高校生のときは通学時に革靴を指定されていたため、そのとき初めて革の靴というものを買ってもらいました。長女の高校では靴の指定はなかったので、ウォーキングやジョギングなどで使うような歩きやすいシューズを履いていましたが、私の高校生当時の記憶があったので、スーツなどを買うなら革靴も用意するべきだろうと考えました。
しかしながら、いくらフォーマルな靴といっても、ヒールのあるような靴は歩きにくいだろうから、歩きやすい革靴を探すことにしたんです。
私は性別でいうと男です。しかもファッションにほとんど興味がないために女性用の靴がどうなってるのか知りませんでした。で、買い物に行って初めて気づいたのが、、、、
女性用の革製シューズがない
ということです。
女性用の靴でヒールが高い靴があって、それはおしゃれに見えるけれど、長時間履くには向かない靴だ、ということくらいは知っていたのですが、そのような靴のことをパンプスと呼ぶ、ということを初めて知りました。
パンプスは素材の違いによって価格差や履き心地に違いがあるものの、基本的にどれもみな同じ形のようです。指先を覆う程度で甲はほぼむき出し状態、かかと部分にヒールと呼ばれる部分が付いていて、ヒールが高くなればなるほどヒールの接地面積が狭くなるようなつくりです。
ヒールのあるおしゃれなサンダルよりは指先が保護されているね、くらいな?つくりで、かかと部分は歩く度にカポカポと脱げやすいし、かといって脱げないような歩き方をしようと思えば、つま先に思いっきり力を入れながら体を真っ直ぐ上へ持ち上げ、さらに足首をグイッと後方へ曲げるような不自然な歩き方になるのではないだろうか?と容易に想像できてしまいます。実際に私が履いて試したわけではないので、想像上の靴を履きながらの話なのですが、試しに履いた長女は「すぐに脱げてしまって、歩けない。」と困惑していました。
より歩きやすいようにと、ヒール部分の高さの違う商品が用意されていましたが、基本的に脱げやすい靴の形であることにはかわりがありませんし、かかとに近い部分のヒール面積が狭いことも同じなので、根底にある履きにくい構造部分が全くと言ってよい程に改善が見られません。
ということで、パンプスはとりあえず却下して、別の革靴を探すことにしました。
次に見つけたのが、ローファー、と呼ばれる靴です。
まあ、男性用の革靴に近いものである靴だと思いました。ところが、圧倒的に種類が少なかったです。
たまたま靴売り場や靴屋で見つけられなかっただけなのかもしれませんが、デザインがほぼ一緒で、なんとなくかわいらしい、というか子どもっぽい?それこそ革靴指定の高校生が履いているようなデザインの靴しかありませんでした。
あれ、おかしいな?と思って売り場をうろうろと探し求めました。でも、それしかない。男性用も品揃えが悪いのか?と思って見たところ、そんなことはなく、何列もの棚を使って様々な革靴が置いているにもかかわらず、女性用は狭い一列のみ。
いくら探しても見当たらないので、こういうものなのかと残念に思いつつローファーを購入したのですが、なんとも言えない違和感が残りました。
女性用ビジネスシューズがないのはおかしくない?
もちろん、靴売り場には女性用の靴がなかったわけではありません。男性用と女性用が半々、それから子ども用です。それなのに女性用のフォーマルやビジネス向けの靴の種類が圧倒的に少ないことに違和感を覚えました。
大学生から社会人へと大人になるにつれ、必要な装いが求められることが多くなります。より公式な行事に参加しなければいけないときには、ドレスコードが指定されているかもしれませんし、カジュアルであってもフォーマルであってもあるいはビジネスであっても、その場にあったファッションが求められるし、その中には靴、というものも当然含められるわけでよね。高校生までは指定服や制服などである程度縛り付けられコントロールされていたために、まあ多少の不満はあっても、あまり意識したり考える必要がなく、与えられていたものに委ねていればよかったわけですが、今度はすべて自分で考えて合わせていく必要があります。
合わせると言っても、どうしても合わないことだってあります。特にビジネスやフォーマルの場は窮屈になりがちですし、多少無理をしてでも合わせなければいけないのは、体にも大変な負担がかかります。
ただ、そういった負担は道具、ここでは靴のことですが、の改良でよりよくしていくことが可能なわけです。
男性用の革靴にはそういった改良が見られるのに、女性用にはそれが感じられませんでした。
よりカジュアル向けの女性用革靴はあるんですよ。そもそもパンプスだって女性専用って感じだし、差別的な言い方になるかもしれませんがおしゃれに敏感な女性に向けた靴は豊富にあるんです。
でも、それだけ?って感じなんです。うまく言えないけれど、なにか物足りないんです。
パンプスじゃ履きにくい、ローファーじゃ子どもっぽい、カジュアルな革靴は靴底部分が全体的にベタッと平たくてかかとがない。もっとビジネス向けが欲しいんです。それなのにビジネスってジャンルがそもそも存在しない。何故?
え、なんなのこれ、差別?
店員さんにも聞いてみたけれど、そもそも発想がないみたいで、それならパンプスの一点張りでした。靴脱げを防止するグッズはあります、あとはパンプスを履くのに慣れていないだけ、慣れればそのうち履けるようになります、という感じでした。
合わせた挙げ句の靴ずれだったり、外反母趾だったり、パンプス以外を履いたときでもつま先から地面に付いた膝の伸ばしきれない変な歩き方だったりするわけなのに、なぜそれに慣らされなければいけないのか理解できません。
なぜ女性だけ社会に出たときにつま先立ちを強要されなければいけないんですか?男なんて、初めての革靴がせいぜいジョギングシューズより硬いなぁと思うくらいなのに。
詳しく知らないんですけど、実はこれが数年前に流行った#KuTooですか?
別に男性向けビジネスシューズと同じにしろって言ってるわけではないんです。無骨すぎる気がするし。
パンプスよりは甲の部分を覆っていて、男性向けよりはもっと女性的な繊細で魅力的なラインを保ちつつ、ローファーよりは子どもっぽくない、カジュアルよりは緊張感があり、例えば紐付きとか?でもブーツではなくて、靴底はベタッと平らではなくかかとがあるけれど、ヒールのように面積が狭くはない、、、、つまりビジネスシューズって作れなくはないと思うんですけど。
男性用ビジネスシューズだって長時間歩くのはきついですよ、いくら革靴は履けば履くほど馴染んでくるって言ったって。でも、女性みたいに歩くときはウォーキングシューズ、会社に言ったらパンプス、なんていう履き分けをしなくても一日を過ごすことは可能なんです。まあ、余程合わなければ同じように履き分けるかもしれませんが。
なければ作ればいい、これだけ物があふれている世の中なんだから、女性用ビジネスシューズがあってもおかしくないですよね。ビジネスに合うシューズならフォーマルな場所でも耐えうるデザインにもできるだろうし、パンプスほど無防備で体に負担をかけるものを履かなくても済みます。
そもそもビジネスっていうカテゴリーがないことがおかしいです。あるいはビジネスの場で女性に求められているのは現在も窓口での受付かお茶くみ、椅子に座りっぱなしの電話番、そして家に押し込めておける嫁候補なんですか?もちろん違いますよね。
おしゃれやカワイイを求めるのは否定しません。ただし、そこに機能性をもっと付け加えて欲しいって言っているだけです。機能だっておしゃれの一部だし、というよりも、機能を備えてこそのおしゃれであるはずです。男側から見てもおかしいって思うんだから、当事者である女性はもっと切実に求めているだろうし、需要がないわけではないと思うんです。
こうやって考える私が変なだけですか?