投資に必要な資金があり、資産管理表も作成したら、いよいよ投資を始める。
投資を始める前に確認
債券と株式の比率を決めたか?
例えば債券:株式=5:5のようにあらかじめ決めておく必要がある。
基本的には債券の割合を50%以上にする。株式市場が沸いているときには、債券の分だけ恩恵を受けられなくて損をしているような気分になることが多いが、逆に不況となったときは、株式がマイナスになってしまう。そんなときでも債券は確実に利息分を積み上げてくれる。投資では儲けることより損をしないことのほうが重要なので、債券を外すことはおすすめしない。
毎月いくら投資するかを決めたか?
毎月ではなくても構わないが、投資は定期的に積み上げていくことが重要となる。例えば毎月1000円ずつ債券投信と株式投信にそれぞれ投資する、などと決めておく。
また、ある程度まとまった資金を用意した場合でも、一度に購入せず、分割することが望ましい。実際のところ、今、割安なのか割高なのかというのは判断できるものではない。過去のデータからは結果としてそのときがどうだったのかを判断できるだけであり、当時のその時点で同じ判断を下せるわけではない。割安だと思ったらさらに大きく下がるということもあるのだが、まとめて購入してしまった場合、追加で購入する資金がないか少ないことになってしまう。分割しておけば追加購入に備えることができる。まとめて購入しておけばもっと儲けられたのに、という現象も起こるかもしれないが、重要なのは損を避けることのほうだ。儲けられたかもしれない分の損よりも、実際に下がって目減りしてしまった損のほうが、痛手が大きいことを忘れてはいけない。好況と不況は循環するので、不況で下がっているときに買えば、好況で上がったときに利益が出る。つまり高いときに買ってしまった損を相殺する以上の利益を出すことも可能なのだが、そういった買い方ができるのは余裕資金があるときだけである(残念ながら知識と経験による)。
最初に押さえておきたい2つの投資信託
債券と株式は購入金額が大きくなりがちなので、そのどちらを買うにしても最初は少額から購入できる投資信託をおすすめしたい。小額から始められるので、積み立てていくように追加で購入することが気軽にできる。売買に関しては取り扱い時間はあるが、ほぼいつでも扱っているものなので、売り出し期間に注目したり、売買のタイミングに悩む必要がなく、いつでも売り買いできることも魅力のひとつだ。個別の債券や株式を購入するのは、投資信託を始めた後からでも遅くはない。
数ある投資信託だが、おすすめは債券型と株式型で、それぞれ1つあれば初期は十分である。
債券型
国内債券のインデックス型投資信託をおすすめする。
5年、10年、15年などの日本国債券に分散投資しているものがおすすめ。金利はクソだがリスクに備えるためには仕方がない。しつこいようだが、投資では損を避けることが重要。
外国債券は為替の影響を受けるので、本来債券に求めるべき、利息収入を得る、という目的の手段としては不適格。
株式型
国内株式のインデックス型投資信託をおすすめする。
225でもTOPIXでも可。売買方法が機械的でなんの工夫もない商品なので、株式型投資信託の中では最も手数料が安い。
「成長分野に注目した」テーマ型株式投信は避ける。手数料が高いだけで、それに見合った仕事をしてはくれない。そのテーマが注目されていて活況なときに売り出されることが多く、たいていはじけて下がる。つまり売り出されたときが祭りの最高潮。さらに下がりきったあとの戻りでは回収できないほどに下がることが多い。唯一儲けているのは上がろうが下がろうが手数料を取った投信運用会社だけという笑えない話がつきまとう。乱立することが多いので、リスク回避目的で同じようなテーマ型投資信託をいくつか購入するのがありがちな失敗。構成株式が似たり寄ったりなため、そのテーマがこけると全てこける。さらに株式市場が大不況のときは、ほぼすべての株が下がるし、好況な会社の株式もそのあおりを受けるのでやはり下がる。そのテーマだけが好況を維持することはあり得ず、むしろその自信がどこからくるのかが不明。結局熱に浮かされていただけだったということに後で気づく(残念なことに知識と経験に基づいている)。
株式に回す資金の内の何割かを外国株式のインデックス型投資信託に振り分けるのも可。なくても構わない。日本国内の株式市場が不況でも、海外は好況という場合もあるため、組み入れることでリスク分散ができる。ただし、たいていの場合、世界はつながっているを体現するかのようにどこもかしこも下がる状況もあるし、国内好況海外不況もあるので良し悪しである。債券を減らしてまで組み入れるものでは決してないので、あくまでも株式の中で振り分ける。