詩にもなっていない文章で裁断機がキーキーと不快な音を立て始めた時の対処法を紹介します。
俺は切り刻み続けてきたお前達を
不満はないさ俺は裁断機
ベタベタでも
ペラペラでも
カサカサでも
ツルツルでも
ヤワヤワでも
カチカチでも
プリントでも
コミックスでも
ブックスでも
紙質なんて関係ない
何であろうと関係ない
まったく関係ない
裁断可能枚数ならみんな
裁断可能材質ならみんな
何万枚でも切り刻み続ける
何何何万回も何万回も俺の刃を押し付けて
何何何万回も何万回も俺の刃を回して
お前達を切り刻む俺は裁断機
でも俺は
俺の体は悲鳴を上げた
切り刻むたび
キーキーと鳴きわめく
どうすればいい?
俺はどうすればいいんだ
教えてくれ
だれか俺を救ってくれ
救ってくれたあの人が
生涯俺はあの人の裁断機
体を拭いて
油をさした
新しいマット
新しいカッター
きしみ音が消えた俺はまた何何何万枚もお前達を切り刻む裁断機だ