ホームシアターが欲しいなぁと20年間ほど考えていました。でも部屋はせまいし、そもそも観るもの自体(コンテンツ)がそろってないし無理だろう…と思い出す機会があるたびに諦めてそれ以上は考えないようにしていたんです。ところがたまたま動画を定額で見る環境を手に入れたので、またホームシアターのことを思い出してしまい「これは、もう無理やりにでも実現させるしかないな!」と考え、実行することにしました。
とにかく安く!
ホームシアターって予算さえあれば実現はできるんですよね…でも、生活があるし、好きなだけは無理!
じゃあ、具体的にはどれくらいまでなら?と考え続けて、すべて揃えるのに上限3万円くらいまでなら何とか出せそうかなと思いました。かなりケチケチですね…。となると大画面テレビは絶対に不可能で、じゃあプロジェクターでという結論に至りました。
「プロジェクター」なら、場所さえ確保できれば壁いっぱいの大画面を比較的安価に実現できます。
ただ、プロジェクターを使う上で問題となるのが「壁」です。広い白い壁が必要で、もちろん巨人からの侵攻を防ぐためではありません。大画面を映すのに使えるほどの壁は、狭い部屋で実現させるのがとても難しいです。私は今まで部屋をかたづけるたびに「なんとかしてホームシアターが実現できるような広い壁を手に入れることはできないだろうか」と試してみたのですが、いつも失敗に終わっていました。今まではプロジェクターを持っていなかったので、やっぱり無理かとあきらめれば済んでいましたが、今回はどうしても実現させたかったので、もっと現実的に考えてみました。
思い出したのが「ホームシアター用スクリーン」です。たとえ壁際に棚があっても棚の前にスクリーンを掛けたり置いたりして大画面を実現させられます。
着地点を低く!
安上がりで大画面を実現できるのがプロジェクターです。
がしかし、プロジェクターも多くのことを望むと簡単に予算オーバーしてしまいますよね。私に必要だったのは「どんなホームシアターが望みなのか?」をはっきりとさせることでした。
そもそも映画館で映画を観る行為って何が魅力的なんだろう?とあらためて考えてみると、やっぱり大画面であることなんじゃないかと思いました。映画館じゃなくてもいいんですけど、例えば「学年末あたりの頃、もうその年に習うことも残ってないし…と先生が学校の視聴覚室で見せてくれた流行りの映画」とか「夏休みに町内会とか子供会で催された映画観賞会」とか経験ありませんか?、カーテン閉め切った暗い部屋で体育座りしながら観たあの感じ、テレビ画面では味わえない大画面に映し出された映像を見る行為が私には魅力的に思えるんです。それを家でも楽しめるのがホームシアターだ!
ならば絶対に必要なのは、大画面です。何よりも大画面であることが私には重要でした。
画質は?とりあえず最低限でも許せます。30年以上前の画質がどの程度なのか今となっては思い出せませんが、その程度でもいいです。とにかく大画面が欲しい。大画面以外に必要なことは工夫や努力で切り抜ける覚悟です。
音については?現在の映画ではサラウンドが当たり前ですが、私はとりあえずステレオでも妥協できると思いました。というのも、我が家では定額動画をパソコンのブラウザで再生させて観ているので、現在のところブラウザ再生の場合の音質はステレオまでが最大なのです。それ以上の5.1chサラウンドなどを望むと音声再生のための追加投資が必要になってしまいます。ステレオスピーカーはたまたますでに持っていたし、これを使えばいいかと考えました。
目標を低く設定すると、予算をあまりかけずにホームシアターを実現させられそうです。
プロジェクター探し
とりあえず定額動画を再生させるのに必要な画質さえ確保できればいいやと考えてプロジェクターを探すことにしました。
定額動画をパソコンで再生させた場合の最高画質を調べてみると、HDつまりハイビジョンでした。具体的には横1920縦1080のサイズまで対応しているので、プロジェクターもそのサイズに対応していればいいとわかりました。
画質の次に考えたのがパソコンとプロジェクターをつなぐ方法です。HDMI端子を使うのが現在は一番安価で手軽そうです。というかHDMI端子のみのプロジェクターが流れになってきているみたいです。さらに最近は無線も普及してきているみたいなので、そのうち接続端子なんて付いていないのが当たり前になっているのかもしれませんね。定額動画を再生させるだけならHDMI端子があればいいかとも思ったんですが、ちょっと待てよと立ち止まりました。すべての映像再生機器が無線対応というわけではなく、例えば私はホームシアターが実現したらついでに試してみたいことの一つに大画面でレトロゲームを遊ぶことがありますが、我が家にあるレトロゲーム互換機はRCA(AV)端子のみです。変換器でRCAからHDMIに切り替えればいいだけかもしれませんが、配線はできるだけ単純にした方が問題は起こりにくいので、プロジェクター側にRCA(特に映像)入力端子が付いているほうが都合がよさそうです。
プロジェクターを探してみると、画質にこだわらなければ1万円台でもLEDプロジェクターが手に入り、しかもハイビジョンサイズ再生に対応しているようです。ネットだとわかりにくかったので、近所の家電量販店などを回って、私は最終的にDIYショップで販売されていたプロジェクターを不安に思いつつも購入(2020年1月29日)することにしました。
私が購入したプロジェクターのカタログ仕様によると
投影画像サイズ:30インチから120インチ
入力端子:HDMI、AV、SD、USB2.0、VGA
アスペクト比は16:9と4:3を切り替え可能
LED寿命:約50000時間
物理的な映像解像度は800×480で再生時は1920×1080まで対応
コントラスト比:1500:1
輝度:70 ANSI ルーメン
で、価格は税込み14080円でした。ネットならもう少し高性能な機種がもう少し安い価格で購入できそうですが、応援する意味もあって近所のお店で購入しました。
私が購入したプロジェクターはそれほどランプ性能がよくないので、明るい部屋では使い物になりませんでした。日が落ちてから使うか、カーテンで部屋を真っ暗にして使うかのどちらかです。私の場合は「夏休み恒例!町内会子ども映画鑑賞会」や「学年末に先生の大サービス!視聴覚室で映画鑑賞会」などが目標で、まさにそんな感じの使い方をすることになって、大満足の結果なんですが、明るい部屋で使いたい場合は輝度とコントラスト比の高い製品を選ぶべきでしょう。物理的解像度が低めだったので大丈夫なんだろうかと心配していたんですが、高画質を求めていなかったのが幸いしたのか家族全員全然気にならないです。DVD画質(720×480)で気にならないなら、この程度の画質でも大丈夫だと思います。
安価なためなのか、台形補正は縦のみ対応で横には対応していませんでした。部屋の片づけ&模様替えで何とか対応させるしかありません。
投影距離は、100インチ程度でスクリーンとプロジェクター間が約2m必要でした。私は部屋の端から端まで必要に違いないと思っていたので、案外短い距離でもいいんだなと驚きました。
スクリーンは手作りで
壁に直接画面を映せない場合はスクリーンが必要です。
画質や大きさにこだわるほどスクリーン代がかさんでくるので、思い切って手作りにしてみました。
用意したのは、
1820cmの集成丸棒2本で1600円
切売テーブルクロス1m×2mで1314円
です。
ネットで「プロジェクター用投影スクリーン」を探すと、同価格程度でスクリーンが手に入るのですが、やはり地域の店を応援したいのと、単に作ってみたらどうなるのか試してみたかったために私は手作りを選択しました。
棒に両面テープでテーブルクロスを貼ってできあがりの簡単工作です。当初の予定では敷布団用フラットシーツを使うつもりでしたが、テーブルクロスのツルツル&白色感のほうがよさそうかも♪と店内をうろつきながら思ったのでテーブルクロスにしました。
使い方はいたって簡単で、使うときにはメタルラック棚にかけたフックに棒を吊り下げてスクリーンを広げるだけです。使わないときはクルクル巻きにして部屋の端に立てかけてます。手作りのためなのか、どうしてもスクリーンの波うちシワを消すことができないのが不満な点です。映画などが始まれば観ることに集中してスクリーンの波うちシワが気にならなくなりますが、気にしだすと気になります。全体的に引っ張って設置するなど改良が必要ですね。
コード
我が家ではプロジェクターをデスクトップパソコンにつないで使っています。
接続には「HDMIコード」が必要です。さらにレトロゲーム互換機とプロジェクターをつなぐためには「RCAコード」が必要でした。ステレオスピーカーとパソコンをつなぐためにもコードが必要になります。
無線技術によってコードが不要になってきていますが、使用する機器の条件次第でまだまだ接続コードのお世話になることが多いです。プロジェクターに限ったことではないのですが、結構コードの存在というか予算に組み込むことって忘れがちで、それなりにかさんでくるものなので、注意が必要かと思います。せっかくプロジェクター買ったのに、つなげられなかったら何の意味もなくて泣きますよね。
プロジェクターを使ったホームシアターの場合、映像出力機器と音声出力機器の設置場所が離れるので、どうしてもコードを長く引き回さなければいけないことが多くなります。コードは長ければ長いほど価格も高くなってくるのがつらいところです。ちなみに我が家では5mのHDMIとRCAコードが必要で、コード代金合計4532円かかりました。馬鹿になりません。
さあ、ホームシアター!
とりあえず、今回かかった合計は21526円、予算内でおさまりました。
ただし、スピーカーについては我が家には手持ちがあったので予算内でおさまったのかなという気もします。プロジェクターにおまけ程度のスピーカーが付いていることは多いですが、音はかなり大事なのでスピーカーは別に用意したほうがいいです。
現在、我が家では気軽にプロジェクターを使って大画面で映画やドラマ、そしてゲームを楽しんでいます。
実現させるために、ずいぶん長い時間かかってしまったし、部屋の模様替えもそれなりに大変でした。でも、そのおかげで新しい楽しみが増えて満足しています。そのせいでブログ更新が滞りがちなのは欠点でしたが。
プロジェクターも欲を出さなければ安価で手に入れられますので、試してみてはいかがでしょうか。