ギター最初の難関とうたわれるのはFのコードですね。そこで使われるのが人差し指を全弦にあてて音を出すセーハ(バレー)という基礎的演奏法なのですが、弾きたい曲によってはほぼ常にセーハしなくてはいけないことがあります。そこで登場するのが、常時セーハしなくてもいいようにできるカポタストという道具なのですが、逆にセーハができるならカポタストなんていらないのでは?という疑問も出てきます。…しかし!
カポなしじゃ弾けない!
最近、三女(幼稚園年長)がやたらと「ネコ型ロボットが登場する3D映画の主題歌」を歌っています。幼稚園で歌っているんでしょうか。
私も三女と一緒に歌ったり、伴奏できたら楽しそうだな、と思って「歌本」を探したら載っていたので、早速練習することにしました。
ところが、実際の曲を「ダウンロードミュージック」で聴きながらギターを弾いてみると、何かが違うんですよね。あれ?おかしいなぁ、と思いながら音を探っていたら、どうも出だしの部分はオープンコードじゃなくてセーハを使うハイコードっぽいんです。試行錯誤しながらひたすらセーハで弾こうとしたのですが、弾けませんでした。セーハで人差し指を使っていると、押さえる指が足りないんです。なんだろう、この人ものすごい超絶技巧の持ち主なのか?、と思って「動画共有サイト」を探して観てみたら、「カポタスト」を使っていました。
カポタストがないと弾けない曲があるんだな、ということに気づきました。
楽に弾けるだけじゃない
カポタストはセーハしなくてもハイコードが楽に弾ける便利な道具なのですが、実はそれだけではないんですね。
ギターで演奏するフレーズには開放弦をうまく利用したものが多くある…という話を聞いたことがあるのですが、私は今まで、実際にどんなフレーズが開放弦をうまく利用しているものなのか?はあまりよくわかっていませんでした。
今回のことでわかったのが、フレーズに開放弦をハンマリング・オンやプリング・オフで絡めていくような極めてギターっぽい演奏をしていると、開放弦をうまく利用していると言えることもある、ということです。
ところが、開放弦というのは通常の場合、上の6弦からEADGBEの順で固定されているので、歌う曲のキーによっては開放弦が活用しにくい場合もあります。キーの関係でハイコードを多用するけれど、演奏では(セーハ上での)解放弦をハンマリング・オンやプリング・オフで弾きたいなんて思うと、技術的に無理があったり不可能だったりすることも出てきてしまうわけです。
そんなときにカポタストがあると、簡単に移調ができます。
解放弦の音が変えられると、オープンコードで別のキーを演奏できるようになります。人差し指がセーハで取られない分をハンマリング・オンやプリング・オフに割り当てられるので、演奏に幅を出すことができるのです。
まあ私の場合、カポタストがあっても技術がなくて今回弾きたかった曲はうまく弾けなかったんですけどね…。
色付けにも役立つ
解放弦を多用すると似たようなフレーズになりがちです。
そこで、ハイコードを使って音に厚みを持たせたり、色付けしたいと思うことがあります。
最近、昔の「MTR」を引っ張り出してきて多重録音して遊んでいるのですが、同じコードをオープンコードとハイコードを使って、さらに同じスリーフィンガー奏法で重ねたいな、と思ったんですよ。ところが、練習量が足りなくてハイコードの音がうまく出せないんですよね。
練習すれば?と言いたいところなんですけど、そんなときにもカポタスト様ということで使ってみると、あら簡単!に弾けちゃいました。
練習も大事なんだけれど無理すると指を痛めることだってあるし道具に頼るのもこれはこれでありだな!と思いました。