アニメみたいな絵を描きたい多くの人が見落としている重大な道具について紹介します。
アニメみたいな絵を描きたいな
たぶん、アニメを作りたいという人よりも、「アニメみたいな絵を描きたいな♪」という人の方が単純に多いと思います。
つまり、動かなくてもいいから、テレビアニメのキャラクターみたいに描きたい人ですね。で、テレビを録画したり、テレビアニメ雑誌を買ったりして、キャラクターを真似て描いてみる…というような感じで始めたんじゃないかと。そこで、疑問が出てくるんです。
「アニメを作っている人たち(つまりプロの人たち)は、本当のところ、どうやってこの絵を描いているんだろう???」
私は、作り方を知らなかった当時、そう思いました。もしかすると、今ならいろんな情報がたくさん出回っているでしょうから、そんなの知っているという人も多いと思いますが、知らない人もやはりいるかと思います。私は、テレビ画面に食品を包むラップをペタッとくっつけて、油性ペンでなぞったり(!)、習字で使う半紙だと絵が透けるという理由で使ってみたりしていましたよ。トレーシングペーパーの存在くらい知っていても良さそうなのに、それすら知らなかったので使っていませんでしたね。
当然のことながら、そんな方法だと描きにくいんです。ラップじゃ色塗れないし、ヨレヨレだし。薄い紙は確かに透けるかもしれないけど、仕上がりは、、、、満足できないんですよね。
「なんだろう???、やっぱりプロの描き方みたいなのがあるんだろうか??」と疑問に思ったものです。
普通に鉛筆画だったわ
もちろん、テレビ画面に映っていたり雑誌などの印刷物に載っている「アニメの絵」は、鉛筆画じゃないですよ。
特殊効果とか演出として「鉛筆画をわざと使ったアニメ」なら別ですけどね。
そうじゃなくって、テレビ画面になる前の「絵」のことです。話がくどくなるので、アニメの絵ができるまでを説明すると
原画(紙に鉛筆で)
↓
動画(紙に鉛筆で)
↓
スキャン(PC)
↓
彩色(PC)
↓
投影あるいは印刷(テレビとか雑誌)
ですね。それで、原画とか動画と呼ばれている物をアニメーターと呼ばれる絵描きさん達が描く段階のところに注目してください。絵を描きたい人に重要なのはここですからね。
そこは、普通に紙と鉛筆で書いた線画なんですよ。だから、「アニメの絵」を描きたい人は紙に鉛筆で絵を描いてくださいと言うことになるわけです。
昔はセルアニメと呼ばれていて、セルロイド製の薄くてほぼ透明な板に鉛筆で描かれた線を写して、それにポスターカラーで色を裏から塗ってたんですけど、今そんなめんどくさいことを好き好んでやっている人は、やっぱり相当の物好きなんじゃないかと思うので、特に詳しい説明はしませんけど、とにかく今はパソコン上で色塗りです。ということは、色を塗った完成画像までを作りたい人は、パソコンが無いとちょっときついですね。もちろん、紙に描いた絵をパソコンに取り込むのにスキャナーはないと困りますし。彩色自体はそんなに高望みしないで色さえ塗れれば良いならペイントでもフリーソフトでも構いませんよ。ただマウスでちまちまやっても良いですけど、絵を描く楽しみには欠けますから、とりあえずペン型入力装置であるペンタブレットはあった方が精神的には楽です。
ちょっと話がそれまくっているので戻しましょうね。とにかく、重要なところは、「アニメの絵は紙に鉛筆で描く」ということです。
タップとか動画用紙なんていらんよ、君
鉛筆は「描画用」が圧倒的に使いやすいですよ。
でも、キャラクター鉛筆でも、構いません。描ければ良いです。何回か描いていて、鉛筆にこだわりが出てきたら描画用を検討してくださいって程度です。
紙はコピー用紙でもオッケーです。ただし、あんまり薄っぺらい紙はおすすめしません。確かに下の絵は透けるんですけど、写し取って終わりって感じで、もうそれ以上色塗ったりできないですし、仕上がりがアウトです。トレーシングペーパーはあくまでも写し取るための紙なんですよ。
漫画用のケント紙とかでも良いですよ。そのまま色を塗りたいならある程度は厚みがあって、仕上がりがきれいなものを使うと満足できます。
アニメ用タップとかアニメ用動画用紙を紹介してますけど、あれは「アニメ動画用」に必要なものであって、「アニメみたいな絵」を描くだけならいらないです。
タップと動画用紙は「動かす」ためには必需品なんです。
でも、困るよね。そのままじゃ
普通の紙に絵を描きますよね。
下書きは鉛筆でもシャープペンシルでも構いませんよ。ただそうすると、清書が必要になります。下書きの線があるままじゃ、汚いですからね。漫画ならここで、ペン入れ、となるところなんですけど、アニメの場合通常はペン入れなんてしないんです。「鉛筆で」清書するんですよ。
ちなみにミリペンとかでもないですから。
え?下絵も鉛筆だし、消しゴムかけられないじゃん!ってなりますよね。どうするのかというと、下絵の上に新しい紙を重ねて、清書します。いわゆるクリンナップって言われる作業です。
はい!そこで、やっぱり困りますよね。下絵が見えないんです、そのままじゃ。どうするのかというと、紙の下から光を当てて透かしながら清書します。タップなんか無くったってクリップ止めでも大丈夫。どうせ動かさないんだから。
鉛筆は常に削って、とがらせて。長い線もできるだけ一気に引いて。ここは確かに練習しないと上手くなりませんけどね。でもとりあえず常に鉛筆削っとけば何とかなります。
それより重要なのは「下から光」です。ほんとこれがないと下絵が見えませんから。
どう頑張っても窓ガラスじゃ無理です。何を使うのかというと「→トレーサー」です。ということで、「アニメみたいな線画の絵」を描きたいなら、トレース台を用意しましょう。